ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

投稿者: seasons-japan-admin (8ページ目 (39ページ中))

上野ダムツーリング(上野ダム編)

上野ダムまでのトンネルは暗い

県道124号を東進して「しおじの湯 しおじや」の交差点で右折し南に向かいます。上野ダムまでは比較的近いのですが途中のトンネルが特徴的です。トンネル内のカーブが多くまた「暗い」です。トンネル内の照明が完全に消灯しているところもありNC750Sのヘッドライト頼り…なのはやや心細いです。

上野ダムの入り口は虎王トンネルを抜けてすぐ、長岩トンネル手前の数十メートルの間なので行きすぎないように注意しましょう。(管理人は行き過ぎ…かけました)

駐車場から堤体を望む

上野ダム堤体を駐車場から望む(2023年6月)
上野ダム堤体を駐車場から望む(2023年6月)

駐車場からは堤体の上流側が見えます。堤体はアーチしているように見えます。また水位はやや低く揚水発電の上池である南相木ダムに貯水されていることが察せられました。なお上野ダムのダム湖は奥神流湖と命名されています。

上野ダム「水の恵」碑(2023年6月)
上野ダム「水の恵」碑(2023年6月)

上野ダムには「水の恵」の碑があります。揚水発電の下池という奥神流湖の特性を考えるとやや唐突な感じがしないでもありませんが…。おそらく重要なのは揮毫の「黒澤丈夫(くろさわ たけお)」氏。

氏は昭和40年から平成17年の40年間に渡り上野村村長を務め、引退した時点で日本で最年長の首長でした。上野村の振興に務めただけではなく、村内の御巣鷹の尾根(これは事故後氏によって命名された地名)に墜落したJAL123便墜落事故での賞賛に値する対応したことでも有名です。

引退した年(当時91歳)に上野ダムは竣工しており、上野ダム関連の仕事は氏の村長としての最後の仕事だった可能性もあります。

上野村の主力産業の一つ木工

上野ダム管理事務所と記念オブジェ(2023年6月)
上野ダム管理事務所と記念オブジェ(2023年6月)

その木工を活かしたと思われるオブジェが管理事務所の壁に飾られています。上野の森に7人の小人がいます。右上の丸いのは…なんだろう。

管理事務所前からダム堤体を望む

上野ダム左岸から堤体を望む(2023年6月)
上野ダム左岸から堤体を望む(2023年6月)

上野ダムは堤高120mの重力式コンクリートダムです。左岸から見ると若干アーチしているように見えますが、手前と奥は副ダムで上の写真中央部の直線になっているのが主ダムです。

上野ダムは大小2つの沢を跨いで建設されており堤頂長350mで比較的長い堤体を持ちます。この構造を合理的に建設するため右岸側小さい方の沢と左岸側は主ダムに対して角度がついた副ダムとして建設し、中央に主ダムが配置されているためアーチしているように見えるのです。

上野ダムのダム湖は奥神流湖

奥神流湖と上野ダムのプレート?(2023年6月)
奥神流湖と上野ダムのプレート?(2023年6月)

上野ダムのダム湖は奥神流湖を名付けられています。ダム湖は「奥〇〇湖」が多いですね。矢木沢ダムの奥利根湖滝沢ダムの奥秩父もみじ湖小河内ダムの奥多摩湖など。

上野ダム天端の風景(2023年6月)
上野ダム天端の風景(2023年6月)

上野ダム天端左岸側にはトンネルがありますが、立ち入り禁止です。このトンネルどこかに繋がっているようには見えずダムの管理用ではないかと思われます。おそらく監査廊へのエレベーターなどがあるのではと思われますが、不詳です。

右岸からダム堤体を望む

上野ダム右岸から堤体を望む(2023年6月)
上野ダム右岸から堤体を望む(2023年6月)

上野ダム堤体を右岸から望みます。クレストゲートの洪水吐はローラーゲート2門、オリフィスゲートと放流用バルブがあるのですがこの写真では見えません。放流用バルブからは放水中でした。おそらく下流神流川の流量維持のためと思われます。上野ダムの目的はP(発電)のみでN(流水の正常な機能の 維持)は含まれませんが環境には配慮しているということでしょう。

次は…御巣鷹の尾根。

上野ダムツーリング(絶景の往路編)

よく晴れた6月の土曜日。日の長いこの時期、更に梅雨時にも関わらず雨の心配がないこの日は絶好の遠出のチャンスです。そこで取材できていなかった、上野ダムを目指すことにして出発。

経路は環八→中央自動車道調布I C→須玉IC→国道141号→県道124号→上野ダム・御巣鷹の尾根方面です。

八ヶ岳の絶景

八ヶ岳とNC750S(2023年6月)
八ヶ岳とNC750S(2023年6月)

佐久往還(国道141号)は須玉からアプローチすると正面に八ヶ岳がまず見えます。佐久方面に北上すると八ヶ岳の東側を通過しますがこの間の風景はまさに絶景です。

上の写真、最も高く見えるのが赤岳(2899m)その右側尾根に沿って横岳、更に少し右奥に向かって硫黄岳。写真で更に右奥、硫黄岳に隠れた夏沢峠を挟んで根石岳。夏沢峠を挟んで南八ヶ岳、北八ヶ岳と呼ばれ浸食作用で険しい稜線の南となだらかな稜線の北の対比が特徴的です。

手前の白く見えているのはレタス畑のビニールマルチです。国道141号の八ヶ岳東側野辺山高原は日本有数のレタス産地です。以前に紹介した清川村もレタスの産地でこの両方を含む長野県は都道府県単位で全体の30%以上のシェアを誇る日本一の産地です。

なお、写真の通り空気がとても澄んでいます。この特徴を活かした国立野辺山天文台も近くにあります…が今回は通過。

加和志湖の風景

加和志湖とNC750S(2023年6月)
加和志湖とNC750S(2023年6月)

国道141号を北上し小海で県道124号を東進します。しばらく走ると見えてくるのが加和志湖。なんでも長野県にしかいないシナノユキマスが釣れるポイントだとか。

なお湖と呼ばれていますが、正確には砂防ダムに堰き止められた相木川の一部です。長野県にはこのタイプの砂防ダムに堰き止められた湖的な川が多いようです。以前のあちばけ湖もその一つでした。

長野県、群馬県境のぶどう峠

ぶどう峠の碑(2023年6月)
ぶどう峠の碑(2023年6月)

この時期、県道124号はツーリングのバイクが多くよくすれ違いました。夏の時期、この周辺は涼しくツーリングには最高のロケーションです。長野県ー群馬県境はぶどう峠です。

ぶどうは葡萄🍇ではなくて武道です。残念ながら特に景色が良いという訳でもなく…草が少ない時期ならもしかすると…。

長野ー群馬県境のぶどう峠(2023年6月)
長野ー群馬県境のぶどう峠(2023年6月)

写真左側長野県の表示があるのが群馬県、群馬県の表示がある右側が長野県です。何故か看板の大きさの差が気になります。なおぶどう峠から群馬県側は特にカーブが多く運転に注意が必要です。(実際地形的にも難所で過去に崩落したことがあるそうです。)

更に県道124号を進んで上野ダムへ。

魚梁瀬ダムと帰途 高知県東部ダムツーリング(4)

魚梁瀬ダムと奈半利川

奈半利川水系には3か所主要な発電所があります。奈半利川下流から前回紹介した長山発電所、二又発電所そして魚梁瀬ダムに設置されている魚梁瀬発電所です。このツーリングでは二又発電所(久木ダム)の入り口を見落としてしまい、目的地の魚梁瀬ダムに到着しました。

この3つのダムはそれぞれ極端な大出力を持つわけではありません(長山 37,000kW、二又 72,100kW、魚梁瀬36,000kW)が3ダム合わせるとかなりの出力となります。奈半利川は四国有数の水力発電による電源となっています。(以上 Wikipediaなどによる)

展望台から魚梁瀬ダムを望む(2023年5月)
展望台から魚梁瀬ダムを望む(2023年5月)

魚梁瀬ダムは当初アーチ式コンクリートダムでの建設が計画されましたが、両脇の地盤強度が不足することがわかり、写真の通り中央遮水土式ロックフィルダムとして建設されました。

魚梁瀬ダムの建設では多くの家屋(200戸以上)が水没することに加え、当時のこの地域の主要産業である林業を支えてきた魚梁瀬森林鉄道の軌道が寸断されるため建設に対する反対は根強いものがありました。移転先に関する補償案や地域の発展に資する交通インフラ(ツーリングで通過した国道493号県道12号、県道54号)の新設・再整備などを提案することで建設の合意が妥結されましたが、その過程は決して平坦なものではなかったとのことです。

魚梁瀬発電所の建物

魚梁瀬発電所の建物(2023年5月)
魚梁瀬発電所の建物(2023年5月)

展望台から堤体下を見ると「やなせ」の植え込みと発電所の建屋がよく見えます。ダム下流至近の久木ダムの貯水池と直結したような形になっているのでダム直下流もダム湖になっています。なおGoogle mapでこの付近を見るとダムを跨いで水路があるように見えますが、これは洪水吐の流路です。(通常はこの部分には水は流れておらず、発電所側から放流されます。)

魚梁瀬ダム堤体を下流側から望む

魚梁瀬ダム、魚梁瀬発電所、NC750S(2023年5月)
魚梁瀬ダム、魚梁瀬発電所、NC750S(2023年5月)

残念ながら魚梁瀬ダムも平鍋ダムと同じく堤体には立ち入ることができません。下流側からアプローチして発電所の入り口で撮影したのが上の写真です。二門の洪水吐とシンプルな流路が見えています。下流側堤体を葛折で上り下りする点検用の通路が特徴的です。

時間も遅くなってきたので帰途につきます。往路とは経路を変えて県道12号線を馬路村方面に向かいます。

ゆずの村 馬路村のゆずの花

馬路村のゆずの花(2023年5月)
馬路村のゆずの花(2023年5月)

北川村の遥太おじいさんが始めたというゆずは今では馬路村の方が有名です。ゆず風味ポン酢の「ゆずの村」、ゆず味の清涼飲料水「ゴックン馬路村」などゆずを生かした製品の生産販売は馬路村の主要産業になっています。

あ、管理人、別に馬路村の手先ではありません。

安田川は奈半利川とは別水系

安田川(2023年5月)
安田川(2023年5月)

魚梁瀬ダムは奈半利川水系に建設されていますが、ダムから少し降った場所を流れる安田川は別水系です。にもかかわらず、両方とも水量が多いのはそもそも降雨量が多いからでしょう。またこの二つの川は所謂下流域がほとんど無いという点でも特徴的です。

安田川はダム開発がされておらず河口から上流域まで鮎釣りの名所でもあります。そういえばごっくん馬路村のラベルに「夏には村のおんちゃんらあは安田川で鮎釣り…」の行があったような。あれ記憶違いかな?

私の記憶はともかく写真の通りの清流です。

この後、実家まで帰宅するのですが、結構な距離ありました。それなりに疲れましたがそれよりも充実感の多いツーリングとなりました。

次回は関東に帰ってきてからのツーリング。

平鍋ダムから魚梁瀬ダムの道中 高知県東部ダムツーリング(3)

ダムに向かう道中も風景が楽しめる

このツーリング色々面白いことがあったのですが、ダムに向かう道中も楽しめました。前回記事のユキモチソウもそうですが、他にも多数あるので今回の記事で紹介。

大規模な砂防ダム

大規模な砂防ダム(2023年5月)
大規模な砂防ダム(2023年5月)

山には土石流を防ぐための砂防ダムがよくあります。が、この砂防ダムは規模が大きい。2011年の台風で国道493号を寸断する土石流が発生したことに対応する(リンク先は高知新聞)ために建設されたもの。四国では最大級とか。管理人が人生史上見た中でも最大規模です。

風景が素晴らしい

空、雲、山、川、NC750S(2023年5月)
空、雲、山、川、NC750S(2023年5月)

奈半利川の河原にNC750Sで降りて撮影した写真です。山の緑をうつした水量豊富な奈半利川が美しい。

NC750Sも格好良く映る

奈半利川を渡る橋とNC750S(2023年5月)
奈半利川を渡る橋とNC750S(2023年5月)

ここで撮影すればどんなバイクも格好良く撮影できるのでは…。

高知県特有のフラフ

北川村某所のフラフ(2023年5月)
北川村某所のフラフ(2023年5月)

高知県では端午の節句に鯉のぼりに加えてフラフをあげる風習があります。フラフは漁船の大漁旗サイズで男の子の立派な成長を願う意味の絵が染め抜かれたものです。

このフラフに書かれているのは地元の志士、中岡慎太郎です。慎太郎先生にあやかって健やかに育ってくれという親や祖父母の願いが込められています。立てたのは「遥太」君のおじいさん。何故そんなことが分かるかといえば、おじいさんと直接話したから。この出会いも面白くて記事にしたいのですが承諾を得るのを忘れていてちょっと残念。と言いつつ、結構書いてる。

ゆずを始めたのは遥太君おじいさんらしい

北川村の柚子の蕾(2023年5月)
北川村の柚子の蕾(2023年5月)

「ゆずの村」をご存知でしょうか。高知県馬路村の農協がかなり力を入れてブランド化して全国的にも流通しています。この写真を撮影した北川村は馬路村の南東に位置して同じく柚子の栽培が盛んです。

遥太君おじいさん曰く、柚子始めたの俺たちなんだよねー。実はすごい人だったかも。

次回、魚梁瀬ダム。

長山発電所から平鍋ダム 高知県東部ダムツーリング(2) 

国道493号から長山発電所の導水管が良く見える

長山発電所(2023年5月)
長山発電所(2023年5月)

国道493号線を北川村方面に進むと県道206号の分岐付近、奈半利川沿いで長山発電所の導水管と変電設備が見えてきます。発電所は川の対岸にあって残念ながら木に隠れて見えません。

NC750Sと並ぶと規模感が分かる

長山発電所の変電設備とNC750S(2023年5月)
長山発電所の変電設備とNC750S(2023年5月)

長山発電所は認可出力37,000kWの中規模の水力発電所です。遠目に見るとあまり大きくは見えなかった変電設備も近づくと大きいです。変電設備の下を通過して国道を進むというのがインパクトがあります。

平鍋ダム到着

平鍋ダム(2023年5月)
平鍋ダム(2023年5月)

平鍋ダムは堤高38mの重力式コンクリートダムです。目的はPで水力発電を目的としたダムです。国土地理院の地図で平鍋ダムから長山発電所までの導水経路を確認できます。あまり大規模な発電所ではありませんが、この導水路の施工はかなり大変だったのではないかと察せられます。

関東では見ることができないユキモチソウ

平鍋ダム近くのユキモチソウ(2023年5月)
平鍋ダム近くのユキモチソウ(2023年5月)

平鍋ダム近くの山の斜面にユキモチソウが咲いていました。残念ながら少し時期が遅かったようです。ユキモチソウは四国や紀伊半島で自生するマムシグサの一種で関東では自生を見ることはありません。管理人が見たのも初めてでした。

人面石

平鍋ダム近くの人面石(2023年5月)
平鍋ダム近くの人面石(2023年5月)

平鍋ダムの手前、慰霊碑がある場所にほど近い道路脇の人面石。平鍋ダムをむいてあります。多分、偶然じゃなくて道路を工事した時に置いたものかと…。

平鍋ダム周辺の風景

平鍋ダム周辺の風景(2023年5月)
平鍋ダム周辺の風景(2023年5月)

慰霊碑のあるちょっとしたスペースから平鍋ダム堤体向きを見たのが上の写真です。平鍋ダムの標高が190m程度で山の中に見えますが意外と標高は低いです。後から調べて気づいたのですが、このツーリングとっても山の中を走った印象でしたが標高で較べると奥多摩の小河内ダム周辺よりも低いのです。

ここから300m程度登って魚梁瀬ダムに向かいます。

新名神甲南パーキングエリア(上り線) は惜しい!

忍者押しが楽しい甲南PA

新名神上り甲南PAの建物正面入り口(2023年5月)
新名神上り甲南PAの建物正面入り口(2023年5月)

いきなりの忍者。忍者が壁を突き破ったり、あまり高そうでない塀をはしごで上から降りてきてたりツッコミどころ満載のイラスト。勢いは感じられます、はい。

新名神甲南PAの風景(2023年5月)
新名神甲南PAの風景(2023年5月)

周りの風景はこんな感じです。基本的には何もない紀伊半島の山の中に通した新名神高速道路のPAなので回りは山です。

内装ももちろん忍者

新名神上り甲南PAの内装(2023年5月)
新名神上り甲南PAの内装(2023年5月)

内装ももちろん忍者。謎の怪人と対決中。避難口誘導灯が良いアクセントになっています。

新名神上り甲南PAのお願い掲示(2023年5月)
新名神上り甲南PAのお願い掲示(2023年5月)

食堂のお願い掲示も忍者。

忍術焦がし醤油黒ラーメンの食券(2023年5月)
忍術焦がし醤油黒ラーメンの食券(2023年5月)

チケットも忍術。

惜しいっ!惜しいぞ甲南パーキングエリア

忍術焦がし醤油黒ラーメン(2023年5月)
忍術焦がし醤油黒ラーメン(2023年5月)

忍術の出来栄えに期待し、一口…。イマイチ…。麺は茹ですぎでスープは作り置きなのか焦がし醤油の香りはせず醤油の酸味のみ感じられ、スープの温度が低すぎです。

麺のゆで時間と茹でるお湯の温度設定、スープの作り方と温度の見直しだけでも良くなると思うのでもしこのブログを見ていたら是非改善してくれー甲南PA。惜しい、惜しいぞ甲南PA。

(とはいえ、お腹すいてたので完食しました。)

和食ダム 高知県東部ダムツーリング(1)

和食ダムは現在建設中

高知へ帰省して最初のダムツーリングは高知県東部の和食ダム→平鍋ダム→久木ダム→魚梁瀬ダムを計画。実家を出発し国道55号を東進しますが珍しいことにあちこち渋滞していました。GWの人出が戻ってきたのでしょう。

2022年12月に訪問した建設中の和食ダムに再訪します。

5か月前と建設進捗の比較(2022年12月)

建設中の和食ダム(2022年12月)
建設中の和食ダム(2022年12月)

5か月前と建設進捗の比較(2023年5月)

建設中の和食ダム(2023年5月)
建設中の和食ダム(2023年5月)

比較すると左岸側のダム堤体の常用洪水吐のゲートの下あたりまでコンクリート打設が進んだことが分かります。見ての通り和食ダムは和食川に堤体高51mの重力式コンクリートダムとして建設中です。目的はFN(A)Wです。※カッコつきなのは高知県公式には3つの目的とされているためです。

所在地は高知県芸西村。芸西村は過去に洪水被害が発生したこともあり、その上流に建設中の和食ダムは洪水調整の目的を持ちます。また芸西村は上水道は和食川の地下水で農業が盛んで水需要が多い反面、近隣に大河川がないため頻繁に渇水に悩まされます(高知県公式より)。和食ダムは農業用水と上水道用の水供給を安定化させます。ダムの規模や目的は千葉県に多い多目的ダムに近いです。

また和食ダムは近隣の奥出ダムと共に非常に海(河口)に近いという特徴があります。これは高知県の「海に近い場所まで山が迫っている」地形が理由です。

CT125ハンターカブ@和食ダム(2022年12月)

CT125ハンターカブ@和食ダム
CT125ハンターカブ@和食ダム

NC750S@和食ダム(2023年5月)

NC750S@和食ダム
NC750S@和食ダム

前回和食ダムを訪問したのは2022年12月末でその時はレンタルのCT125ハンターカブでした。このときは室戸岬がメインの目的地でその際の写真はこちらから。今回はNC750Sで。NCの方が坂道が楽でした、そりゃそうだ。

和食ダム完成後には沈んでしまう風景

和食ダム上流の現在の堰(2023年5月)
和食ダム上流の現在の堰(2023年5月)

建設中の和食ダム上流には和食ダム(旧)?和食堰?があります。自然越流式でゲートは無いようなので農業用水の確保が目的と思われます。この堰は勿論和食ダムが完成した暁には水没することになります。

和食ダム上流側から堤体予定地を望む(2023年5月)
和食ダム上流側から堤体予定地を望む(2023年5月)

堰の上流かつ和食ダム上流から見た風景です。少し見にくいですが写真中央部格子状のコンクリートで囲まれた白いコンクリート部分がダム天端になります。あと何年かしてダム湛水が完了するとこの写真の左下はダム湖で占められることになります。

次は平鍋ダムへ。

ベルハンマーゴールド効果は如何に?

東京→高知1回給油の帰省ツーリング

東京→高知の帰省ツーリングもすでに数回目。これまでは1回給油で少し余裕をもって問題なかったのですが、このところ普段のツーリングでの燃費が体感できるレベルで低下。

1回給油の場合、余裕を見ると35km/lを目指す必要があります。そこでYoutubeなどで紹介されているベルハンマーゴールドを購入。チェーン・ドリブンスプロケ清掃+注油した上で1週間放置。そして出発。前半は自宅から新名神土山SA、後半は土山SAから高知道伊野IC最寄りの一般道GSです。

経路の見どころ動画

富士山ー名港トリトンー姫路城?ー瀬戸大橋ー讃岐富士など

連休前というのにあちこち渋滞した前半

出発してすぐの環八から渋滞。東名にはいって綾瀬バス停前後からまた渋滞。当然、燃費は伸びません。海老名SAを過ぎたあたりから渋滞解消90km/h走行のトラックにペースメーカーをお願いして(単に車間とってついていっただけですが)燃費を稼ぎます。

新東名区間は110km/h前後で巡行します。ここでやはり燃費は伸びなくなりむしろ32.5km/l程度まで悪化します。そして伊勢湾岸自動車道へ。この区間は燃費には最も有利な70~80km/hで流れるので素直に流れに乗ります。そして前半中継地点土山SAへ。SA直前数百メートルでリザーブ表示に変わりました。

東京→土山SAの走行距離と燃費(2023年4月)
東京→土山SAの走行距離と燃費(2023年4月)

前回はSAで休憩後、給油直前にResv表示になったので燃費もほぼ同じはずですが…。今回の燃費は35.6km/l。前回を確認すると燃費は約2km/lよくて37.5km/l。あれー?なんでだろ。

渋滞なく順調に走行した後半

土山SAで食事+給油した後出発。ちなみに給油量は10.97L@186円で2,040円。NC750Sで2,000円越えは初めてかも。

土山SAからは緩やかな下りが続き、京都→神戸の区間は90km/lペースなので燃費は伸び38km/l程度で走行できます。神戸から瀬戸中央道まではほぼこの燃費を維持しますが、上り下りの多い四国に入ると燃費が徐々に悪化します。立川PA過ぎたあたりでResv表示に変わりました。(「たちかわ」ではなく「たぢかわ」と読みます)前回は最寄りICでResv表示だったので誤差ではなくはっきりした手前。

土山SA→伊野IC(最寄りのGS)の燃費と走行距離(2023年4月)
土山SA→伊野IC(最寄りのGS)の燃費と走行距離(2023年4月)

今回の燃費は36.4km/lで前回は38.5km/l。結局、前後半共に2km/l程度燃費が悪化しています。ベルハンマーゴールド効果は「ない」のか…。

ベルハンマーゴールド効果はあると思う

ただ、実際に走っているときのチェーンのばたつき感軽減取り回し時に感じる重さは軽くなっています。なので、燃費も向上しそうなのですが寄せる年波にはNC750Sも勝てないのか…。詳しく調べるため前々回からデータをまとめると

2021年GW 前半 37.5km/l 後半 37.0km/l 平均 37.25km/l
2022年GW 前半 37.5km/l 後半 38.5km/l 平均 38.0km/l
2023年GW 前半 35.6km/l 後半 36.4km/l 平均 36.0km/l

2022年GW時はオイルが5W-30だったので10W-30の2021年GWと比較するのが妥当。2021年GW前半は土山SAではなく一つ先の草津PAで給油しているのでその分燃費が伸びています。平均で比較すると1.25km/lの違い。

2021年GWは渋滞はなくペースは今回より遅いです。今回は少し遅く出発し渋滞があったので燃費はほとんど同じと考えてよいと思います。

2022年GWに関してはペースはほぼ一緒ですが、一点重要なことを忘れていました。2022年→2023年で管理人5kg以上10kg以下の範囲で太りました。というか前回が色々あって痩せていました。オイル+体重違いで2km/lの燃費変動は可能性としてはあり得ますね。

燃費比較では数値的には明確な結果は出せませんでしたが、経年劣化分を改善し、体感出来る部分の効果はあるということで今回の結論としておきます。

XL883n/IRON883 インプレ/レビュー と美しい写真たち

デザイン ★★★★★   端的にかっこいい
エンジン ★★★★★  ツインの鼓動感と吸気音が素敵
ブレーキ ★★★    リアがちょっと…
使い勝手 ★★★★   重いけど着座で前後は余裕。積載はオプション必須
コスト  ★★★    意外と燃費悪くない 純正オイルが高いので★-1
価格   ★★     空冷ハーレーは今後人気が出る可能性大
魅力   ★★★★★★ 理屈抜きの魅力は流石ハーレー

先日Harley Davidson XL883n/IRON883 (2018)のメンテ走行時の簡単なインプレ/レビューをお知らせしましたが、今回ある程度まとまった距離を走ることが出来たので詳しいインプレ/レビューを記事にします。

まずは右側後方から

XL883n/IRON883 右側
XL883n/IRON883 右側

XL883n/IRON883です。ノーマルではなく、いくつかカスタムされています。大きなところは、バーハンドル、幅広ステップ、極薄シートなど。低いルックスを目指しつつ、Harleyらしい存在感を損ねていません。またタンクとリアフェンダーのロゴはオーナーオリジナルのデカールです。

カスタムの定番、マフラーはノーマルのまま。とは言え十分な鼓動感が乗っていて楽しい。

後方から見ると…

XL883n/IRON 883 後ろから
XL883n/IRON 883 後ろから

後ろから見るとローフラットスタイルのリアから、シート位置で絞られて、跳ね上がって見えるタンクがグラマラスです。またバーハンドルでタンクより上に見えるものが少ないのもシート位置のクビレが官能的に見える一因。

積載性0のハーレーなのでバッグは必需品。バックパックのハーレー乗りはあまり冴えないですからね。最小限にとどめて左側に一個なのもデザイン的に秀逸。右にはマフラー、左にバッグでバランスが取れています。

そして走りは

XL883n/IRON883 右側からヤマザクラと共に
XL883n/IRON883 右側からヤマザクラと共に

XL883nの2018年型の出力は公式には発表されていませんが、調べてみると51.0 HP@ 6000 RPM 6.9 kgf-m@ 4750 RPMとのこと。NC750Sが54.0 HP@ 6250 RPM 6.9 kgf-m@ 4750 RPMでほとんど同じ数値です。

が、トルクカーブが違うのかXL883nの方が低回転側のトルクが大きくフラットに出ているようです。スタートダッシュ競争をするとXL883nに軍配が上がります。また低速トルク十分+クロスレンジのシフトなのでシフトチェンジの回数は少なくて済みます。

勿論、45°のV型2気筒エンジンの鼓動感は絶対的な魅力

ロングローでキャスター角30°の車体は直進性に優れています。タンクが細めでエアクリーナがあるのでニーグリップは…ですがくるぶしホールドで十分な安定性を感じられます。一方でワインディングは荷重移動を意識して丁寧に走らないとラインを外れます。(ハンドルの舵角で曲がるのがハーレーの基本といわれることもありますが、荷重移動はすべての2輪の基本というのが管理人の意見)これは「操ってる!感」がとてもあって必ずしもデメリットではないと思いますが、極初心者の人にとっては「曲がりにくい」と感じられるかもしれません。

これはバイアスタイヤを標準で履いていることとも関係するかもしれません。

林道は避けるけどワインディングは楽しい

XL883n/IRON883 左側、富士山と共に
XL883n/IRON883 左側、富士山と共に

XL883nの車体重量は256kg。ハーレーの中では最軽量の部類ですがNC750Sより40kg近く重く取り回しやすいとは言えません。なのでソロで林道に入るのは躊躇われます。

でも前述の通り、操ってる感が楽しいのでワインディングに向いています。高速や田舎道を直進するようなツーリングよりもワインディングが最高に楽しいのがXL883n。特に速度を出さなくてもエンジンの鼓動感と相まって楽しめます。

ちょっと細かい弱点

XL883n/IRON883 左側前方から
XL883n/IRON883 左側前方から

ルックス最高のXL883nですが、意外な弱点があります。それは…フロントサスのブーツが黄色くなること。この写真、格好よく撮れていると思いますが唯一ブーツが黄色がかっています。

洗車を手抜きしているわけではなく、ショップで聞いてみると使用している材質の特性のようです。気になる人は定期的に交換するとか…。ハンドル外しての作業で一体どれだけの工賃がかかるのやら。でも、こだわる人はいると思います。

XL883n とても魅力的なバイクです

XL883n/IRON883 小河内ダムの洪水吐前で
XL883n/IRON883 小河内ダムの洪水吐前で

大きな音で燃費が悪い印象があるハーレーですがXL883nに関していえば、実走で24km/l程度で排気量を考えると良い部類だと思います。タンク容量12.5lなので単純計算航続距離300km程度。実用では250km位か。但しハイオク指定はお財布に厳しいです。

中距離ワインディングツーリングが最高に楽しいXL883nはとても魅力的なバイクだと思います。

鬼怒川4ダムの活躍

可愛い娘への擬人化は時世柄か…

キヌダム4姉妹のイラスト
キヌダム4姉妹のイラスト

ツーリングでは鬼怒川4ダムのうち、五十里ダム湯西川ダム川治ダムを取材しました。川俣ダムは少し離れており前回の取材ではたどり着けませんでした。4ダムといっても一直線に並んでいるのではありません。五十里ダムの上流に湯西川ダム、川治ダムの上流に川俣ダムがあります。

建設順では五十里ダム(昭和31年ー1956年)、川俣ダム(昭和41年ー1966年)、川治ダム(昭和58年ー1983年)、湯西川ダム(平成24年ー2012年)となります。「姉妹」と擬人化されていますが、五十里ダムと川俣ダムが姉妹。川治ダムは五十里ダムからみると「親子」。更に五十里ダムと湯西川ダムは「祖母と孫」位の年齢差です。人間だとすればですが…。

更に無粋なことを言うならばドイツ語のダムDammは男性名詞だそうです。まあいいか。

平成27年関東・東北豪雨での減災

キヌダム4姉妹の活躍
キヌダム4姉妹の活躍

多くのダムと同様に、この4ダムの目的には洪水調整(F)が含まれます。更なる特徴はダムが建設された直後に豪雨が発生し、その時のダム運転がどれだけ減災に役立ったか定量的に計測、アピールされている点です。

具体的には湯西川ダムが2012年に竣工・運用された3年後、関東・東北豪雨が発生しました。鬼怒川流域の各所で観測史上最大の24時間雨量を記録するなど歴史的な豪雨でした。決壊した鬼怒川の堤防から流れ出た水で家の2階まで洪水が達し、屋根の上に避難した人々を救難ヘリで救助する映像が衝撃的だったあの洪水です。

大被害の発生を完全には防ぐことは出来ませんでしたが、ダムでの放流量調整で被害を減じることが出来ました。勿論、ダム建設の意義をアピールしたい国土交通省の思惑はあるとしても、ダム建設に意義があったことがよく分かります。

4ダムの防災操作

平成27年9月関東・東北豪雨の際のキヌダム4姉妹の時系列放流量(2023年4月)
平成27年9月関東・東北豪雨の際のキヌダム4姉妹の時系列放流量(2023年4月)

それぞれのダムの位置関係は前述の通り男鹿川上流から湯西川ダム→五十里ダム、鬼怒川上流から川俣ダム→川治ダムです。男鹿川はは川治温泉周辺で鬼怒川に合流します。

このため五十里ダム、川治ダムの放流量を以下に調整できるかが洪水時には重要です。川俣ダムー川治ダムを見ると9日に流入量の最初のピークがあり、両ダムとも洪水操作を行って流量カットしていることが分かります。(グラフの紫色が流量カット分)

川治ダムと湯西川ダム→五十里ダムでは10日早朝から午前中にかけて流入ピークがあり降雨が続いたことが分かります。川俣ダムは10日には流入ピークを過ぎていたために全量流量カットし川治ダムの水位上昇を抑えています。(川俣ダムのグラフの黄色部分)

4ダムによる懸命な洪水調整が行われましたが10日11:00頃に鬼怒川が決壊してしまいます。この時点で川治ダム、五十里ダムともに流入量ピークは過ぎていましたがこれまでの貯留でダム水位に余裕がある状況ではありませんでした。しかし、10日午後から11日にかけて下流の洪水被害を最小化するためにギリギリの運転を行って放流量をカットしています。川治ダム、五十里ダムは洪水時最高水位に対して2m以下という本当のぎりぎりまで容量を使っていることが分かります。

なお、湯西川ダムは10日11:00の鬼怒川決壊後も均一な放流を行っていますがこれは洪水吐にゲートがなく自然放流式であることが原因と思われます。もしかすると、ダムの設計者は「ゲートつけとけばよかった」と思ったかも。

このように4ダムの懸命な洪水調整で減災が図られました。とはいえ、この豪雨による被害は小さいものではなかったことを考えると李佩成 氏の詩の「人力天に勝つべし」は些か僭越に過ぎる感が否めません。やはり自然に対して人は謙虚であるべきだというのが管理人の意見です。

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