ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

月: 2023年7月

奥多摩ツーリング

小河内ダム+奥多摩湖は奥多摩ツーリングの定番

小河内ダムの湧水(管理人は飲みますが飲用可かどうかは不明)

奥多摩ー小河内ダム+奥多摩湖のツーリングは定番中の定番。そのまま直行するのも悪くはありませんが、ちょっと林道に寄ってみるのも楽しいです。

奥多摩の林道某所(2023年7月)
奥多摩の林道某所(2023年7月)

ニホンカワラトンボ@奥多摩

ニホンカワトンボの雄で無色翅型の成熟個体(2023年7月)
ニホンカワラトンボの雄で無色翅型の成熟個体(2023年7月)

林道の付近では昼なのにヒグラシが鳴いていました。またニホンカワトンボは近寄っても逃げず撮影に応じてくれました。

最近の小河内ダムは洪水調整を意識

小河内ダム堤体と洪水吐(2023年7月)
小河内ダム堤体と洪水吐(2023年7月)

「東京砂漠」と呼ばれた渇水があったころ小河内ダムは東京の主力の水がめでした。基本的に上水確保が優先され意図的に水位を下げることはなかったはずです。

翻って現在、東京都の水がめは利根川水系に移行し水不足が懸念される状況はかなり解消しています。逆に近年、水害の可能性が高くなったことから小河内ダムも多摩川の洪水調整を行う協定が結ばれています。

そのため、水位はこの時期高くても70%程度です。この位だと洪水吐前のテラスが見えています。

小河内ダムを右岸から(2023年7月)
小河内ダムを右岸から(2023年7月)
小河内ダムを右岸展望所から(2023年7月)
小河内ダムを右岸展望所から(2023年7月)

ちなみにこの展望台、春先は間近でニホンザルが観察できるスポットです。

また奥多摩ニホンザルが増えているのかこんな風景も(4月の左岸)。

ニホンザルの親子@奥多摩(2023年4月)

ちょっとブログ書くのが大変になってきたので編集方針変えました。それではまた次回!

八ッ場ダムツーリング(嬬恋、野反ダムなど)

八ッ場ダムを出発して長野県の上田方面に向かいます。その途中で「野反湖」の標識を見つけて、そちらに向かいます。が、意外と距離がありました。

野反湖に到着すると展望所があり、トレッキングを楽しんでいる人たちで賑わっていました。そしてその展望所の脇にはニッコウキスゲ。どうやらこの花を目当てに来ている人も多かったようです。

ニッコウキスゲ@野反湖畔(2023年7月)
ニッコウキスゲ@野反湖畔(2023年7月)

野反湖、野反ダム

野反湖と面白い雲(2023年7月)
野反湖と面白い雲(2023年7月)

野反湖は野反ダムのダム湖です。野反ダムができたのが1953年。長い年月を経て、もう一つの自然になっています。なお、この写真の中央、野反湖の奥にダムがあります。雲の様子が不思議。

八間山と青い空、白い雲(2023年7月)
八間山と青い空、白い雲(2023年7月)

美しい空の青、雲の白、林の緑。トレッキングを楽しむ人たちが小さく映り込んでいます。

野反湖をバックに野反ダム天端でNC750S(2023年7月)
野反湖をバックに野反ダム天端でNC750S(2023年7月)

野反ダムの天端。野反ダムは堤高44mのロックフィルダムです。ただし遮水方式が珍しく鉄筋コンクリートフェイシングです。

鉄筋コンクリートフェイシングの野反ダム(2023年7月)
鉄筋コンクリートフェイシングの野反ダム(2023年7月)
野反ダム堤体(2023年7月)
野反ダム堤体(2023年7月)

嬬恋といえばキャベツ

浅間山と嬬恋のキャベツ畑(2023年7月)
浅間山と嬬恋のキャベツ畑(2023年7月)

小学校の社会の授業で嬬恋村のキャベツについて習ったのはいつの日か(遠い目…)今でも嬬恋はキャベツ畑がたくさん。奥には育ったキャベツ、手前は植え付け前の畑です。

浅間山を反対の小諸から

剣ヶ峰と浅間山、NC750S(2023年7月)
剣ヶ峰と浅間山、NC750S(2023年7月)

浅間山の北の嬬恋から、上田を経由して小諸。北向きに見える浅間山とNC750S。この日はとにかく空が美しかった。

ちなみに総走行距離ちょうど500km。日帰りツーリングの途中で給油しないと明らかに足りなかったのは初めてかもしれません。

次回は奥多摩の記事の予定。

八ッ場ダムツーリング(八ッ場ダム後編)

八ッ場ダム堤体下から

八ッ場ダム堤体と副ダム(2023年7月)
八ッ場ダム堤体と副ダム(2023年7月)

最近竣工したダムだけに一般の訪問者が堤体周りのあちこちを無料で行き来できます。ダム堤体には監査廊へ続くエレベーターがありますが、通常は監査廊階を除いて止まる運転で自由に乗ることができます。

エレベータを降りて吾妻峡レールバイク アガッタンに向かう途中振り向いて撮影したのが上の写真です。廃線になったJR吾妻線の線路を一部使用して新しくできたもので興味深々ですが…二人乗りで一人では乗れなそうです。残念。

ダム堤体や赤い八ッ場もみじ橋、副ダムなどが見えていますがダム堤体を天守閣に見立てると城郭の三の丸から見たような風景にも見えます。

残された吾妻峡の風景(7:10から ※その前はダム横の小滝)
ダム堤体下から見る吾妻峡(2023年7月)
ダム堤体下から見る吾妻峡(2023年7月)

ダム建設は当初現在より500m程度下流に予定されていました。が、地元の強い要望により吾妻峡の風景を少しでも多く残すために現在位置に建設されました。もし、当初案ならダム湖の底に沈んだはずの風景です。残されるだけの美しい風景、秋の紅葉はなお格別と思われます。

吾妻峡展望台からの風景

吾妻峡の風景(2023年7月)
吾妻峡の風景(2023年7月)

ダム建設前から残る、渓流の風景です。渓流といえば釣りですが、吾妻川本流は近隣から湧出する温泉が多く流れ込み元来強い酸性でした。これが理由で魚類はほとんど住んでいなかったそうです。釣りも温泉も好きな管理人ですが、意外な「害」があることに初めて気づきました。

現在では下流の利根川の水質保持や吾妻川そのものの利水のため、酸性が特に強い支流で酸性水の中和が行われ、一部では水棲生物も見られるようになったとか。もちろん八ッ場ダムの水も上水道、農業用水、工業用水に使用されています。

VRでのダム紹介が今時

八ッ場ダムVRによる展示(2023年7月)
八ッ場ダムVRによる展示(2023年7月)

立派な展示館の2階にはVRによるダムの紹介があります。悪くはなかったのですが、音声があるともっと良かったかも。

長野原町「もっと前へ。」

もっと前への長野原町ポスター(2023年7月)
もっと前への長野原町ポスター(2023年7月)

ダム建設で多くの地区がダム湖に沈んだ長野原町のポスターです。ダム建設の補償の一環として温泉地の再開発を含め様々なアトラクションも設置されました。その一つ、ダム建設に伴って高く架け替えられた八ッ場大橋からのバンジージャンプをモチーフにした「もっと前へ。」(洪水調整で水位が低い時期の営業)

小河内ダム建設時の移転はダムから離れた場所に移転した人々が大半でしたが、八ッ場ダムの場合は新たに建設された高台にコミュニティを維持した形で移転されています。ダム建設がなければ橋もなくバンジーもなく…。水没した地域に住んでいた方々の気持ちは複雑なのではと思い遣られます。

八ッ場ダムは以上、次回は予定していなかった、もう一つのダムに向かいます。

八ッ場ダムツーリング(八ッ場ダム前編)

八ッ場ダムに行こう

夏至を過ぎましたがまだまだ日の長いこの時期でないと日帰り出来ない場所を狙って地図を眺めて八ッ場ダムを目的地にしました。

非常に激しい建設反対運動があり、建設までの妥結まで非常に時間がかかった上に、建設途中で政権が変わり建設が一時中断、さらに政権が変わって建設が継続され令和2年にやっと竣工した八ッ場ダム。

八ッ場ダム堤体を下流正面から望む(2023年7月)
八ッ場ダム堤体を下流正面から望む(2023年7月)

竣工したばかりのダム堤体はほとんど汚れておらず白さが眩しいくらいです。白いといえば石灰岩質の多いロックフィルダム南相木ダムも白いですが八ッ場ダムは重力式コンクリートダムなので雰囲気がまた随分違います。

八ッ場ダムの諸元

八ッ場ダム 諸元表示(2023年7月)
八ッ場ダム 諸元表示(2023年7月)

写真の諸元には記載がありませんが、八ッ場ダムの目的はFNWIPです。特に洪水調整は重視されていて公式HPで総貯水量の半分以上が洪水調整に充てられていることが確認できます。

2019年の台風19号が関東地方に接近した際にはまだ湛水試験が始まったばかりの八ッ場ダムが1日でほぼ満水になったのが話題になりました。(外部サイト その時のまとめ記事)八ッ場ダムがなかったら洪水被害が大きくなっていた可能性もありました。

八ッ場ダムはゲートが多い

八ッ場ダムを上流側から望む(2023年7月)
八ッ場ダムを上流側から望む(2023年7月)

八ッ場ダムにはクレストゲートが4門、コンジットゲートが3門設置されています。最近の重力式コンクリートダムでは非常洪水吐は自然越流式にしてクレストゲートが省略されるケース(宮ヶ瀬ダム湯西川ダムなど)がありますが八ッ場ダムでは4門。

細かな流量調整を目的にしているのか、設計がこれらのダムよりも前にされていたのか事情は判りませんがダムらしい姿なのは間違いないです。

洪水調整の容量が大きいと言うことは

八ッ場あがつま湖の風景(2023年7月)
八ッ場あがつま湖の風景(2023年7月)

洪水期(7月ー10月5日)のダム湖は水位が非常に低く上の写真のような風景になります。水不足なのではなく容量を空けて洪水調整量を確保しています。

奥に見えるキノコのような特徴的な岩は丸岩と名付けられています。

八ッ場ダム右岸の風景

八ッ場ダム建設で移転された墓地(2023年7月)
八ッ場ダム建設で移転された墓地(2023年7月)

ダム左岸側にダム建設に伴って新しく付け替えられた国道145号が走り、駐車場があり管理事務所や展示施設などが建てられています。またダム天端中心近いところにエレベータがあり下流側に降りることができます。

このため、右岸側は人があまりいません。そんな静かな風景の中に移転された墓地がありました。合掌。

また人がほとんどいない中、鳥たちが鳴き交わす声がとても綺麗でした。動画でお楽しみください。

八ッ場ダム右岸の鳥たちの鳴き交わし

次回はダム下流の様子。