ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

月: 2020年3月

奥多摩から道の駅小菅へ

2週連続、NC750Sで奥多摩へソロツーリング。檜原村役場先の橘橋交差点を左に曲がると奥多摩周遊道路。右に曲がると?ということで都道205号線を進みました。残念ながらこの道は途中で工事中で通行止め。橘橋まで引き返して奥多摩周遊道路を上りました。

山の中にも春の訪れ。都道205号の行き止まり直前で撮影しました。

梅の花が満開でしたが、考えてみれば3月。やはり標高の高いこの辺りの春は少し遅いのだろうと実感しました。

都道205号行き止まり手前
山の中の遅い春を実感させます

奥多摩周遊道路といえば先週も都民の森駐車場に来てました。何という風景の違いでしょう。今週の雪はほとんど解けて北向きの斜面に少し残っている状態でした。

  • 雪の都民の森 NC750Sと共に
    路面の雪は溶けていましたが木々には多くの雪が残っていました
  • 初春の都民の森
    先週の雪景色とは一変しています。

実は205号の行き止まりの前に入間白岩林道の入口までは行ってきました。この林道は比較的状態が良く奥多摩方面に抜けられるようですが初めて+一人ということもあり自重。引き返しました、大人ですから。

入間白岩林道入口
入間白岩林道の入口です。比較的状態の良い林道…らしいです。

いつもは奥多摩周遊道路を通過して小河内ダム方面に向かいますがこの日は大月方面に抜けることにしました。少々、疲れてきたので道の駅的なものがないだろうかと探していると丁度ありました、道の駅こすげ。レストランや物産館があり、隣接して温泉小菅の湯、フォレストパークなどがある充実したスポットです。が、ゆっくりする心構えをしていなかったのでまた来ようと大月に向かいました。

  • 道の駅こすげの看板
    ヤマメの看板が印象的。
  • 道の駅こすげから小菅の湯を望む
    右側の三角屋根の建物が小菅の湯の建物です
  • 道の駅こすげからフォレストパーク入口を望む
    Tokyo2020の看板が心持ち煤けて見える…

猿橋に抜け相模湖→高尾山→八王子まで20号線、16号線で奥多摩街道にでて、新小金井街道で青梅街道へ。途中のドラッグストアでトイレットペーパーを購入して帰宅しました。COVID-19の影響で近所のドラッグストアはトイレットペーパー売り切れ。そういえば、道の駅こすげのレストランもtake outのみの営業になっていました。早く普段を取り戻したいものです。

奥多摩の雪景色(2020年3月15日)

少し寒い日曜日に奥多摩にNC750Sでソロツーリングに行ってきました。奥多摩周遊道路方面に向かう途中で「都民の森-九頭竜橋間通行止め」の表示に出会いましたが果たして…通行止めだったので手前の都民の森で休憩。

雪の都民の森 NC750Sと共に
路面の雪は溶けていましたが木々には多くの雪が残っていました

都民の森で写真撮影やトイレ休憩をしていると通行止めになっていた道路に動きがありました。路面を確認したうえで通行止めが解除になったようです。なお奥多摩周遊道路は18:00-9:00は周年通行止めなので、この通行止めの柵は毎日開閉しています。係の方お疲れ様です。

奥多摩周遊道路通行止め解除
雪が解けているのが確認できたためか、通行止めが解除になり小河内ダム方面に向かうことが出来ました。

通行止め解除になったので上に行く前に写真を一枚。本日のベストショットが撮影できました。

都民の森の木の雪
本日のベストショット。「冬」の感じが出ていますが、東京とは思えません。東京です。

都民の森から少し進んで月夜見第2駐車場から小河内ダムを望みます。都民の森から月夜見第2駐車場辺りまでの標高は1000m。小河内ダムは530m位なので気温や雪の様子がずいぶん違います。遠景の山々も頂上近くは雪化粧です。

冬の小河内ダム
月夜見第二駐車場から小河内ダムを望む。

この日は寒さもあり疲れたので小河内ダムには寄らずに、青梅街道を東京方面に向かって帰宅しました。ツーリングの時はNC750Sのインプレを最後に書くのが通例でしたがネタ切れになってきたので止めにします。ただ「グリップヒーターがあってよかった!」。

NC750Sの一番詳しいインプレッション

デザイン ★★★★    フロント周りがこなれてないかな
エンジン ★★★★   公道で必要十分(高速では+10~20ps欲しい)
ブレーキ ★★★    リアがちょっと…
使い勝手 ★★★★   ラゲッジ最高!給油場所と後部ラゲッジのフックに不満
コスト  ★★★★★  一日走り回っても燃料代1000円以下 素晴らしい
価格   ★★★★★  ABS, ETC, グリップヒーターついてます

愛車NC750Sの一番細かいインプレッションをお届けします。NC750SはHONDA有数の不人気車種ですが、そのバイクとしての魅力は決して他の車種に劣るものではありません。デザイン、走りに関する点、使い勝手、パッケージング、設計上興味深い点等細かくインプレします。

こちらもおすすめ 最新のブログ記事

NC750Sを右側からみる
この写真だけでもNC750Sの特徴が沢山みてとれます

NC750Sの全体像

数字で見て特徴的なのはやや長めの全長2,215mm。これは 大きめの27 ° というキャスター角が原因。またシート高790mmとかなり低めで中肉中背(169cm)短足の管理人でも両足がほぼ完全につきます。
ルックスは大きく前傾(62°)したエンジンが特徴的です。またフレームはダイアモンドですがメインフレームが低い位置に見えているのは好き嫌いが分かれるかもしれません。エンジンからリアサス、マフラー周りのデザインは良くまとまっていて好感が持てます。一方フロント周りはちょっと安っぽいかもしれません。

全体的に「低い」というのがルックス上の特徴でもありこれが走りにも影響します。

NC750Sエンジンインプレ

NC750Sシートエンジン周り
最近のバイクにしてはエンジンからリアサス周りが忙しい印象です

NC750Sのエンジンの特徴はホンダの自動車フィットのエンジンを二つ割にしたともいわれる水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒のエンジン。最大出力は54ps / 6,250という低回転仕様。勿論トルクも6.9 / 4,750とバイクのエンジンとは思えない低回転仕様。なおフィットの現行はDOHC化されているのでむしろNC750Sの方が自動車っぽいかもしれません。

最大出力は同クラスの他車と比べて圧倒的に小さく、NC750Sの人気のなさの一番の原因かと思われます。では、「遅い」かというとそうでもありません。ワインディングを常識的なスピードで走っている限りエンジン特性に不満を感じることはありません。カーブの多いワインディングではトルクの立ち上がり領域を使いたいのでトルクピークに出力ピークが近い特性が強みになります。

勿論出力不足が気になる場面もあります。新東名などで一部制限速度120km/h区間がありますが追い越しなどで加速する場合にはやや非力さを感じます。勿論実用上問題ないのですが、軽くひねれば加速して…という訳にはいかずちゃんと加速すれば応えてくれるという感じです。

音に関しては吸排気系の設計の妙か直列2気筒らしい力感を感じます。好みが分かれるところでしょうが、マフラーはやや大型感を出すためのセッティングでちょっと演出過剰な気もします。音そのものは低めで住宅街でも安心して乗れるのは良いところ。

NC750S ブレーキインプレ

NC750S フロントブレーキ周り
NC750S フロントブレーキはシングルディスクのABSです。

NC750Sは2018年11月以降、ABSが標準装備になっています。フロントブレーキはNISSINのシングルディスクですが性能に管理人は能力不足を感じたことはありません。フルスピードから目いっぱい減速するようなサーキット走行をする場面では車重を考えれば厳しいかもしれませんが公道では全く問題ありません。
ブレーキそのものの能力に対してABSの介入タイミングが思いがけず早い点がやや気になる点ではあります。2018年にABSの装着は義務付けられてまだ2年、NC750SのABSはまだ改善の余地があるように思います。

NC750S のリアブレーキ周り
NC750Sのリアブレーキはフロントディスクの内側から打ち出されたものだそうです

一方、リアブレーキはNISSINのシングルディスク。フロントブレーキのディスクの内側から打ち出されたものだそうですが…もう一回り能力が欲しいです。リアは管理人の乗り方もあまりよくないのかもしれませんが、中高速での「減速」はフロントしか当てにならない印象です。勿論低速域ではそれなりに効きます。

NC750S ラゲッジスペースインプレ

NC750s ラゲッジスペースの内部
NC750s ラゲッジスペースの内部には車載工具とETCユニットが入っています。

NC750Sといえばタンク位置のラゲッジスペースです。一般的に収納スペースを持たないバイクの中でこのスペースの存在は大きいです。乗車中はちょっとした荷物(カメラとか飲み物ペットボトルとか)を入れておいて、目的地ではヘルメットと荷物を入れ替えてアクティビティへ。大型のヘルメットは入りませんが、管理人のArai Quantum Jはちょうど入ります。

底の部分にETCユニットが納められています。毎回ETCカードを抜き差しするのは若干面倒です。閉めた時に固定するラチェット(写真左側の金具)の締りがあまりよくないレビューもあります。確かに納車当初そんな感じもありましたが、しばらくするとカチッと閉まるようになりました。コツはラチェット部に集中して体重を乗せてやる感じです。

タンクの形状をしていますが、この部分の素材は金属ではなく樹脂です。タンク上に磁石で止めるタイプのバッグは使えません。まあ、必要ないですけど。また位置的に熱がこもりやすいです。冬場に暖かいペットボトルコーヒーを入れるには良いのですが、冷たい飲み物はすぐにぬるくなります。食べ物系のお土産とかはいれない方が良いと思います。

色々書きましたがこのスペースはやはり圧倒的に便利です。

NC750S 給油位置のインプレッション

NC750S 給油位置
タンクが通常のタンク位置にないということは給油位置は…タンデムシートの下です

通常のタンクの位置がラゲッジになっているので給油はタンデムシートの下に移動しています。慣れていないガソリンスタンドの店員さんだとまず驚かれます。
話のタネとしては面白いのですがあまり便利とは言えません。タンデムシートに荷物を載せているときは一度おろす必要があります。また通常のタンクと違って奥行があまりないので給油する際に全開にするとガソリンが吹きこぼれる時があり、注意が必要です。

なおこのスペースの左側にヘルメットホルダーがあります。が…管理人はほとんど使ったことがありません。フロントのラゲッジスペースに収まりますからね。タンデムの時は便利です。

NC750S ラゲッジフックのインプレッション

NC750S タンデムグリップとラゲッジフック
NC750S タンデムグリップとラゲッジフック。ラゲッジフックは何故か1か所しかありません

リア周りではラゲッジフックの不便さが気になります。なぜか明示的にフックをかける場所が左右1か所しかありません。タンデムグリップに溝があってそこにひっかけられるのですが少し溝のサイズが中途半端です。
タンデムシート+グリップの幅が広いのでお土産程度の大きさの荷物を載せるには全く問題ありません。キャンプ道具とかは大判のツーリングネットでしっかり固定したいので少し困ると思います。

NC750S 技術者から見たインプレッション

NCの元となったのは、「市街地走行やツーリングなどの常用域で扱いやすい」「快適で味わい深く燃費性能に優れたミドルクラス」「求めやすい価格で提供」といった思想に重点をおいた『New Mid Concept』。このコンセプトの基、NC700シリーズがリリースされたのが2012年。それから 2014年に排気量を745ccに拡大したNC750シリーズがリリースされて今日に至ります。

前述の3つのコンセプトに対応したのがラゲッジボックスとOHC並列2気筒のエンジン(RC70E)です。ラゲッジボックスは「便利」である以上にこのバイクの設計と走りの特徴にも大きく影響しています。ラゲッジボックスを設置するためにフレームはメインフレームが大きく下側にずらされたダイアモンドでその下にずれた分をリアで大きく跳ね上がる形になっています。この形状はかなり複雑で強度設計には(現代では当然ですが)構造解析を入念に行っているものと思われます。

更にラゲッジボックスのスペースを確保するためエンジンを大きく前傾させています。このことはキャスター角の大きさの一因にもなっていると思われます。また燃料は通常の位置にはラゲッジボックスがありますからシート下に移動しています。この結果、非常に重心の低い車体となり、デザインこそネイキッドスポーツに寄せていますが走りの特徴としてはツアラーよりの安定感の強いものになっています。このバイクはNew Mid Conceptを技術的に突き詰めていった結果であり、ホンダからの新しいバイク像の提案なのです。

また求めやすい価格という点はそれを実現しておりホンダの技術者に拍手を送りたいと思います。

NC750S 不人気の理由

NC750Sが不人気の理由は「ブランドが確立する前に教習車にした」ことだと思います。NC750 シリーズの教習車仕様NC750Lは実はNCシリーズが745ccに排気量アップするきっかけになっています。

そして実際に大型二輪の教習車として多くの普通二輪の免許取得者に運転されることになります。大型二輪の教習者は過去のバイクブームで出力が自主規制される前の世代も多く、「大型の癖に…より非力じゃない?」という印象を持った人も多いと思います。実感した人もいれば、NC750Lについて調べてみて分かったという人もどちらもいるでしょう。勿論比べる対象によれば数字上もその通りです。

NC750LとNC750Sではエンジンのセッティングも違いますし、実際乗り比べるとかなり別物です。(特にギヤ比の違いや重心位置の違いは大きい)残念ながら「非力な教習車のバリエーションの一台」としてNC750Sが認知されているのが不人気の一番の理由だと思います。

また「便利」や「扱いやすい」、「燃費が良い」などの特徴は本来大きなメリットのはずなのですが、多くのライダーの「心をくすぐる魅力」ではなかったということも大きいでしょう。

NC750Sとヤマザクラ、三つ葉ツツジ
都内某所で撮影したNC750S。前傾したストロークの長いエンジンが特徴的。

NC750Sの魅力

「安心して遠乗りに出かけられてワインディングも楽しめる性能」です。バイクの本質的な楽しみである、風を感じながら全周囲の風景を楽しみながら走るを高い次元で実現します。

NC750Sの最高出力は排気量が1クラス下のCB400よりも低い値です。排気量を出力アップが主眼ではなく、明確に低回転側のトルク向上に使うのは自動車では高級セダン(クラウンとかセンチュリー)の手法でこれまでのバイクのパッケージングにはなかったやり方です。このことは「遠乗りが非常に楽」という特徴に結び付きます。遠乗りの際は一日中乗っていることも少なくないので「疲労」は「危険」に繋がりかねません。NC750Sの楽さは「安全、安心」につながります。

一方で走りが退屈というわけではありません。流石にSSや高性能機のようなハイペースは無理がありますが(何よりも管理人の腕では無理)、ワインディングでコーナーをほどほどに倒し込みながらクリアする感覚は十分に楽しいものです。非力と言われるエンジンも低回転域の出力は決して低くはありません。低速中心のワインディングを腕の良いライダーが乗ると最強なのではないかと思います。

車体価格が安いのはパッケージングの割り切りが主因です。低回転を指向したOHCエンジンは部品点数が少なく根本的にコスト的に優位でNOx発生量が少なく、音も低く小さめなので排気系のコストも下げられます。ブレーキも実を取って前後シングルディスク(前後を一枚のディスクから打ち出しているので本当にシングル)で割りきる一方、 海外の規制も関係していますが ABSを標準装備するなど安全には配慮しています。このパッケージングを「安物」と思えば選ばなければよいし、私は「上手い」と感じています。燃費も300km走って1回給油のペースなので一般道を中心に走る場合には1日走って最後に給油で十分間に合います。10lそこそこの給油量ですからガソリン代も知れています。

あちこち遠乗りする週末を本当に楽しくしてくれるのが愛機NC750Sの魅力です。

こちらもおすすめ 最新のブログ記事