奈良俣ダムは突然現れる
奈良俣ダムは群馬県道63号を走っていると突然堤体が現れます。この場所からは歩いてダム堤体に上ることが出来る遊歩道が整備されているようでした。が、歩きません。奥野ダムでダムを徒歩で上り下りするのは懲りました。シンプルな直線の洪水吐が潔さ?を感じさせます。車両で堤体に上る登り口は県道63号をもう少し片品方面に走り龍洞を超えた所を左折します。
奈良俣ダムのあれこれ
奈良俣ダムの石碑の前でNC750Sの記念撮影。奈良俣ダムはいろいろと話題があります。その1、ダムは「奈良俣」ダム、川は「楢俣」川、ダム湖は「ならまた」湖。なぜこんなに表記を分けたのでしょう。その2、前々回の須田貝ダムは楢俣ダムと命名されていた。しかし奈良俣ダムが出来る際に須田貝ダムに名称が変更された。へーです。
奈良俣ダムは堤頂高158mでロックフィルダムでは日本で3番目の高さを誇ります。高さだけでいえば矢木沢ダムよりも高いのですが高度感はありません。ただスケールの大きさに圧倒されます。なお洪水調整やかんがい、上水道利水などの目的を持つ多目的ダムです。
多目的の中でも水道水の供給が多く、群馬県2.435t/秒、茨城県0.179t/秒、埼玉県0.951t/秒、千葉県2.41t/秒、東京都2.07t/秒が供給されています。群馬県自身が使用する量より他都県に供給する量の方が多いのです。矢木沢ダムには東京都民が頭が上がりませんでしたが、奈良俣ダムには都民に加え千葉、埼玉、茨城県民も感謝せねばなりません。東京首都圏を利根川上流域の雪解け水が支えている構図がここでも見て取れます。
発電は12,800kWの発電能力であまり大きくはありません。この記事の一番最初の写真の右側にあるのが発電所です。
奈良俣ダムの最も特徴的なのは男性裸像かもしれません。由来、来歴はよくわかりませんが夏の青い空と雲、巨大なダム堤体に男性裸像。「なぜだ」と心の中で呟きました。
下から見てまっすぐな洪水吐は上から見てもまっすぐです。そりゃそうだ。下流側左手に発電所があり奥に見えている道路が群馬県道63号です。目立った減勢工がありませんでしたが、流れ落ちた場所の水深が深そうなので護岸された水深の深い減勢工になっているのかもしれません。(推測です。)
奈良俣ダムの周りは小ダムがたくさん
奥利根のダムの特徴は接する山から直接雪解け水が流れ込むことです。奈良俣ダムもそうで、各所からの土砂流入を防ぐためと思われる小ダムが各所にあります。確認できただけでも4基あってそれぞれデザインが特徴的でした。
奈良俣ダムの洪水吐ゲートです。このゲート中々面白い構造になっていて、低水位を維持する場合中央のゲートを上げてゲートの下から放流します。中くらいの時ゲートをおろしてゲートの窓から放流します。更に洪水になると自然越流式になり左右から越流する仕組みのようです。面白いですね。
人生初はダムカレー
タイトルの○○○は「カレー」でした。あちこちのダムには行くのですが、ツーリング中にあまり食事をしないのとカレーそのものがそこまで好きなわけではないのでこれまで食べたことがありませんでした。この日は須田貝ダムから始まり矢木沢ダムを歩き回り、奈良俣ダムでまた歩き回り写真撮影。朝食も食べていなかったので思い切ってダムカレーに挑戦(大袈裟)。
注文してしばらくして出てきたのがこれです。奈良俣ダムのロックフィル感と洪水吐を福神漬けで表現しているところが中々良いです。またロックフィルダムからカレーが漏れないようにライスは結構硬めに成形しているところなど中央遮水土を彷彿とさせます。管理人にはご飯がみっちり成形されていた分ちょっと多かったかもですが味は上々。
満腹の後は、奥利根ゆけむり街道を走破します。