ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

月: 2023年3月

上空から撮影した日本各地のダムなど(3)

スバル車の故郷?スバル研究実験センター

ツインリンクもてぎ上空(2016年10月撮影)
スバル研究実験センター上空(2016年10月撮影)

関東平野を東に進み、渡瀬川を過ぎたあたりでサーキットと思しき施設が見えました。筑波サーキットはもっと南だし、ツインリンクもてぎにしてはコースが縦長すぎるように思います。

これが何の施設か調べるのは結構頑張りました。サーキットをキーワードにして探してみましたが見つからず、航路に沿ってGoogleマップを見ていくという原始的な方法でやっと分かりました。スバリスト乾杯!

中禅寺湖と男体山

中禅寺湖と男体山(2016年10月撮影)
中禅寺湖と男体山(2016年10月撮影)

関東平野の北東端を過ぎると中禅寺湖と男体山が見えてきます。華厳滝はギリギリ確認できないか…。中禅寺湖、男体山を明智平から楽しんだツーリング記事はこちらから。男体山の「薙」と呼ばれる雨などで削られた沢がよく見てとれます。

蛇尾川ダムと八汐ダム

蛇尾川ダムと八汐ダムを南上空から(2016年10月撮影)
蛇尾川ダムと八汐ダムを南上空から(2016年10月撮影)

写真中央を流れているのは蛇尾川。「へびおがわ」でもなく「じゃびがわ」でもなく「さびがわ」と読みます。知らなきゃ読めない難読地名の一つだと思います。

写真中央につくるまサーキット那須が見えています。ダムは写真の上の方。正面にあるのが蛇尾川ダム。その左側に八汐ダムがあります。隣接したダムといえば…揚水発電です。八汐ダムが上池、蛇尾川ダムを下池とする塩原発電所では最大900,000k Wを発生します。

蛇尾川ダムは堤高104[m]の重力式コンクリートダムで目的は発電(P)のみです。また八汐ダムはフィルダムですが全体がアスファルトフェイシングという珍しい形式です。山梨県の大門ダムではダム堤体ではなく、漏水防止にアスファルトフェイシングが湖岸の一部に使用されていますが、全体アスファルトフェイシングで堤高90.5[m]は世界一の規模です。

塩原発電所に関連して過去に東京電力による取水量などに関するダム運用に関して改竄報告があり水利権が停止され発電できなくなるという不祥事がありました。根本的な原因は八汐ダムの漏水で、対策が取られ利水権は再度認められました。現在は時々点検のための計画停止はあるようですが運転しているようです。

不祥事のせいと言うわけではないでしょうが、この2ダムは現在陸上からの見学ができません。

深山ダムと沼ッ原調整池

美山ダムと沼ッ原池(2016年10月撮影)
深山ダムと沼ッ原池(2016年10月撮影)

さらに東進、那須高原にさしかかると深山ダムと沼ッ原調整池が見えます。深山ダムもアスファルトフェイシングフィルダムで堤高は75.5mと八汐ダムよりやや低いもののこの形式のダムとしては大規模な一基です。揚水発電の下池として利用されますが、目的はかんがい(A)、上水道(W)そして発電(P)の多目的ダムです。

沼ッ原調整池は見て揚水発電の上池とわかる人工的な形状で、また下池である深山ダムとの標高差(有効落差478m)がこの角度からよく分かります。沼原ダムは全周アスファルトフェイシングフィルダムで堤頂長が1579mあり日本国内の全ダム中で3番目の長さです。目的は発電(P)です。

深山ダムー沼ッ原調整池間には沼原発電所が設置されており675,000kWの最大出力を有します。なお沼原発電所はJ-POWER(旧 電源開発)の運営です。

羽鳥ダム

羽鳥ダム(2016年10月撮影)
羽鳥ダム(2016年10月撮影)

航路をやや北向きに変えて福島県に入ると羽鳥ダムが見えてきます。ダム湖は羽鳥湖と名付けられており、写真の羽鳥湖の右斜め上にダム堤体があります。羽鳥ダムは堤高37.1mのアースダムです。アースダムとして日本で2位の湛水面積と湛水量を誇ります。

農林水産省直轄ダムで目的はかんがい(A)の専用ダムです。かんがい用水として重要な役割を果たすと同時に観光資源としても開発が進んでキャンプ場、スキー場、ゴルフ場などが周辺に建設されています。

残念ながらこの後は東北地方、雲が多く撮影が出来なくなってしまいました。

まもなく仙台空港着陸

DHC8-Q800のランディングギアと仙台平野(2016年10月)
ランディングギアと仙台平野(2016年10月)

この撮影を行ったのが2016年。2011年に東北地方太平洋沖地震が発生した際にはこの写真に写っている場所は津波で冠水し仙台空港も大被害をこうむりました。

この時点では海岸側の防潮堤やその内側の防風林などが整備されているようでした。これが約7年前。今はさらに復興も進んでいることと思われます。

これで、上空から撮影したこのシリーズ終了。またねー。

上空から撮影した日本各地のダムなど(2)

丸山ダムを過ぎて次に見えてきたのは…

美和ダム

南側上空から美和ダムを望む(2016年10月撮影)
南側上空から美和ダムを望む(2016年10月撮影)

美和ダムは長野県伊那市に建設された堤高69.1mの重力式コンクリートダムです。写真は南側から撮影しているのでダム堤体は写真中央上側です。美和ダムは洪水調整(F)、かんがい(A)、発電(P)の多目的ダムですが、この地域比較的雨量が多く洪水調整が重視されて運用されています。

このため、堆砂対策が重要視され上流に貯砂ダムを建設し堆砂を防ぐという珍しい対策が取られています。勿論浚渫も行いながら運用されています。

奥に見えている小さめの湖は高遠ダムのダム湖である高遠湖。高遠ダムは堤高31mの重力式コンクリートダムかんがい(A)、発電(P)の多目的ダムです。発電は10km以上離れた春近発電所に送水されて最大23,600kWを発生します。また最近、ダム自体の落差を用いた高遠さくら発電所が建設されました。こちらは199kWとミニ水力発電所ですが使えるものはちゃんと使おうという意気を感じます。

諏訪湖

諏訪湖(2016年10月撮影)
諏訪湖(2016年10月撮影)

更に東進して諏訪湖が見えてきます。諏訪湖と諏訪盆地、上川が見えます。上川側に流れ出しているように見えますが反対で、写真左側の山に隠れた位置に天竜川がながれ、諏訪湖はそちら側に流れています。管理人てっきり南側に流れていると勘違いしていました。

南相木ダムと上野ダム、そして…

南相木ダムと上野ダム、御巣鷹の尾根付近(2016年10月撮影)
南相木ダムと上野ダム、御巣鷹の尾根付近(2016年10月撮影)

御巣鷹の尾根です。左下に南相木ダム、右に上野ダム、南相木ダムから右に向かって直線を伸ばし、上野ダムから下に伸ばして交点辺りが御巣鷹の尾根です。JAL123便の事故は1985年、南相木ダム、上野ダムは1995年着工なので事故当時はこの二つのダム湖は存在しませんでした。

南相木ダムは日本のダムで最も高い位置にあり、上野ダムを下池とした大規模な揚水発電の上池です。このダムの詳細はこちらから。

下久保ダムと神水ダム

下久保ダムと神水ダム(2016年10月撮影)
下久保ダムと神水ダム(2016年10月撮影)

更に東に飛行し関東平野に差し掛かります。そして神流湖と下久保ダムが見えてきます。角が特徴の下久保ダム。確かに上の写真でも角を確認できます。右上向きがダム本体で右向きが補助ダムです。下久保ダムの詳細はこちらから。

また写真右端ぎりぎりに神水ダムも写っています。このダムはあまり大規模なダムではありませんが4連ゲート+1ゲートが面白く管理人好みのダムの一基です。

神流川、烏川、利根川合流域(2016年10月撮影)
神流川、烏川、利根川合流域(2016年10月撮影)

そして関東平野に入ると利根川の合流点が見えます。写真左側から合流してくるのが上流に下久保ダム→神水ダムがある神流川。写真上側から烏川。右上から利根川本流が流れてきます。こんなに川が一杯あって大丈夫か?と心配になりますが、大丈夫ではなく近年でも水害が発生しています。下久保ダムも洪水調整したはずですが及ばないこともあるのです。

次回は更に関東平野を東に。