ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

カテゴリー: 南相木ダム

上空から撮影した日本各地のダムなど(2)

丸山ダムを過ぎて次に見えてきたのは…

美和ダム

南側上空から美和ダムを望む(2016年10月撮影)
南側上空から美和ダムを望む(2016年10月撮影)

美和ダムは長野県伊那市に建設された堤高69.1mの重力式コンクリートダムです。写真は南側から撮影しているのでダム堤体は写真中央上側です。美和ダムは洪水調整(F)、かんがい(A)、発電(P)の多目的ダムですが、この地域比較的雨量が多く洪水調整が重視されて運用されています。

このため、堆砂対策が重要視され上流に貯砂ダムを建設し堆砂を防ぐという珍しい対策が取られています。勿論浚渫も行いながら運用されています。

奥に見えている小さめの湖は高遠ダムのダム湖である高遠湖。高遠ダムは堤高31mの重力式コンクリートダムかんがい(A)、発電(P)の多目的ダムです。発電は10km以上離れた春近発電所に送水されて最大23,600kWを発生します。また最近、ダム自体の落差を用いた高遠さくら発電所が建設されました。こちらは199kWとミニ水力発電所ですが使えるものはちゃんと使おうという意気を感じます。

諏訪湖

諏訪湖(2016年10月撮影)
諏訪湖(2016年10月撮影)

更に東進して諏訪湖が見えてきます。諏訪湖と諏訪盆地、上川が見えます。上川側に流れ出しているように見えますが反対で、写真左側の山に隠れた位置に天竜川がながれ、諏訪湖はそちら側に流れています。管理人てっきり南側に流れていると勘違いしていました。

南相木ダムと上野ダム、そして…

南相木ダムと上野ダム、御巣鷹の尾根付近(2016年10月撮影)
南相木ダムと上野ダム、御巣鷹の尾根付近(2016年10月撮影)

御巣鷹の尾根です。左下に南相木ダム、右に上野ダム、南相木ダムから右に向かって直線を伸ばし、上野ダムから下に伸ばして交点辺りが御巣鷹の尾根です。JAL123便の事故は1985年、南相木ダム、上野ダムは1995年着工なので事故当時はこの二つのダム湖は存在しませんでした。

南相木ダムは日本のダムで最も高い位置にあり、上野ダムを下池とした大規模な揚水発電の上池です。このダムの詳細はこちらから。

下久保ダムと神水ダム

下久保ダムと神水ダム(2016年10月撮影)
下久保ダムと神水ダム(2016年10月撮影)

更に東に飛行し関東平野に差し掛かります。そして神流湖と下久保ダムが見えてきます。角が特徴の下久保ダム。確かに上の写真でも角を確認できます。右上向きがダム本体で右向きが補助ダムです。下久保ダムの詳細はこちらから。

また写真右端ぎりぎりに神水ダムも写っています。このダムはあまり大規模なダムではありませんが4連ゲート+1ゲートが面白く管理人好みのダムの一基です。

神流川、烏川、利根川合流域(2016年10月撮影)
神流川、烏川、利根川合流域(2016年10月撮影)

そして関東平野に入ると利根川の合流点が見えます。写真左側から合流してくるのが上流に下久保ダム→神水ダムがある神流川。写真上側から烏川。右上から利根川本流が流れてきます。こんなに川が一杯あって大丈夫か?と心配になりますが、大丈夫ではなく近年でも水害が発生しています。下久保ダムも洪水調整したはずですが及ばないこともあるのです。

次回は更に関東平野を東に。

南相木ダムツーリング ダム天端編

南相木ダムは天端も白い

ちょうちょやま、歌碑、ダム名碑(2022年10月)
ちょうちょやま、歌碑、ダム名碑(2022年10月)

ちょっとした公園のように整備されていますがすべてが石灰岩推しで白いです。手前の不思議な造形のオブジェクトは「ちょうちょやま」と名付けられています。その右側、ちょうちょやまに少し隠れているのが丹治富美子さんの歌碑part2。

「おもかげを だきてのぼれば 何処より 彩美しき 蝶のまいきぬ」

が彫られています。その左にダム名碑です。

ウズマク広場が小さく見える

南相木ダム天端からの風景(2022年10月)
南相木ダム天端からの風景(2022年10月)

天端から下流側(ほぼ西向き)をみると先ほどのウズマク広場が堤体麓に見えます。奥にとがって見えているのが男山。さらにうっすらと八ヶ岳の稜線が見えています。硫黄岳、赤岳付近と思われます。

南相木ダムのダム湖は奥三川湖

奥三川湖(2022年10月)
奥三川湖(2022年10月)

南相木ダムのダム湖は奥三川湖と名付けられています。三川は地名で、更にその由来は三つの川が合流する谷間だったことからか?地図上では三川という川の名前も確認できるので…ちょっとよくわかりません。ご存じの方がいらしたら是非コメントお願いします。

上野ダム湖に繋がる導水口は見えません

奥三川湖の導水ロ近く(2022年10月)
奥三川湖の導水ロ近く(2022年10月)

揚水発電の上池に使われる奥三川湖ですから下池への導水口があるはずですが通常は水面下にあって見えません。多分上の写真の水中にあるはずです。この導水口から上野ダム湖までトンネルを通して繋がっています。トンネルのある山の名前は「御巣鷹山」。はいJAL123便で有名なあの山です。

ダム天端左岸側のモニュメント

南相木ダムのタイヤモニュメント(2022年10月)
南相木ダムのタイヤモニュメント(2022年10月)

ダム天端を渡って左岸側にはダム建設時に使用した90t積みダンプのタイヤがモニュメントとして残っています。大きさが分かりにくいですがタイヤの直径が2.6m、重さは1.3tです。逆光で見えにくいですがBRIDGESTONE製です。

そして帰途へ

南相木ダム天端とNC750S(2022年10月)
南相木ダム天端とNC750S(2022年10月)

最後にNC750Sをダム天端の様子と合わせて記念撮影。車止めにある看板に奥三川湖周回遊歩道の文字が見える通り湖全体を歩いて周回することが出来ます。1周5.3kmの記載もありますね。トレッキングにはちょうど良い距離だと思いますが、これから東京に帰らないといけない身。途中で寄りたい場所もあるので南相木ダムを後にします。

次回は帰途で撮影した写真など。

南相木ダムツーリング ウズマク広場編

ウズマク広場のウズに登ってみる

ウズマク広場のウズとダム堤体(2022年10月)
ウズマク広場のウズとダム堤体(2022年10月)

流石にダム堤体は登らないように立ち入り禁止ですがウズマク広場は徒歩で自由に歩けます。Wikiによるとウズマク広場は自動車侵入可と書いていますが2022年時点で車両止めが設置され侵入不可です。ご注意を。

白いダム堤体が特徴的な南相木ダムですが、これはこの近隣でとれる石灰石を使用して建設されたためです。ウズマク広場の各所にも使われていて印象的です。

大スロープの洪水吐

南相木ダムの洪水吐(2022年10月)
南相木ダムの洪水吐(2022年10月)

南相木ダムの洪水吐はウズマク広場から良く見えます。一直線のスロープで下流側に減勢工があります。洪水吐から流れた水は南相木川に合流します。

南相木ダムはもともと南相木川が流れていた谷に水を貯めていますが、ダム建設時に南相木川はトンネルを通じて下流に流されるようになっています。つまり南相木ダムのダム湖の水は洪水吐を通過する以外、南相木川に通常は通じていません。

ではダム湖の水は…揚水発電の下池側の神流川の水です。南相木川の慣行利水権に配慮してこのような設計になっているとか。確かに南相木川沿いには滝などの景勝地が多くそのような判断に至ったことも首肯できます。

石灰岩の歌碑

丹治富美子さんの歌碑(2022年10月)
南相木ダムの洪水吐(2022年10月)

ウズマク広場の傍らに丹治富美子さんの歌碑があります。「悠久の時経し石の フィルダムは 造りし人の魂と輝く」が刻まれています。自然を称えつつも、それをいくらか奪いながら生きていく人類の営みに厳しくも同情する視線を忘れない氏の考え方が出ている歌のように思われます。(管理人の見方ですが詳しくないので違ってても怒らないで下さい。)

白石のダムの麓のウズの上 青空向けて一叫びする

ウズの天辺から見る風景(2022年10月)
ウズの天辺から見る風景(2022年10月)

影響されて一句読んでしまいました。ウズマク広場のウズの天辺から見た風景です。奥に見えるのは男山の稜線か?青空の爽快さに思わず一叫び。何を叫んだか…意味のある言葉ではありませんがストレス解消。

ウズマク広場を後にして

NC750Sと南相木ダム堤体+洪水吐(2022年10月)
NC750Sと南相木ダム堤体+洪水吐(2022年10月)

ダム堤体と洪水吐が良く見える場所にNC750Sを停めて記念撮影。NCの赤、周りの緑、空の青。光の三原色ですね。合わせてダム堤体の白になっていますね。狙って撮影したわけではないですが…。

次回はダムの天端の様子。

南相木ダムツーリング 到着まで編

10月に入った某日。東京は今一つさえない天気ですが、山梨県北から長野県南にかけては好天の天気予報。そこでこれまで行ったことのない南相木ダムに行くことにしました。琴川ダムが自然流入ダムで日本一高い場所にありますが、揚水発電の上池を含めると南相木ダムが日本一。今のうちに行かないと寒いですからね。

が、中央自動車道が調布入口から渋滞。先が思いやられましたが、八王子からは渋滞解消し韮崎ICまで。そのあとは国道141号線を北上します。

道の駅 南きよさと の青空

道の駅南きよさとの青空(2022年10月)
道の駅南きよさとの青空(2022年10月)

昼頃には南相木ダムに到着したかったのですが、渋滞の影響で遅れ。結構手前の道の駅南きよさとで昼食にします。それにしてもなんときれいな青空でしょう。国道141号線から少し入ったところに野辺山宇宙電波観測所がありますがやはり澄んだ空気がポイントなのでしょうね。

道の駅南きよさとからは富士山も見えます

道の駅南きよさとの風景(2022年10月)
道の駅南きよさとの風景(2022年10月)

道の駅南きよさとの風景です。池を作って周りは散策路になっています。池には渡り鳥が何羽か浮かんでいました。手前に見えている稜線は斑山(まんどりやま)と思われます。そしてその奥に富士山が頭をのぞかせていました。

佐久往還(国道141号線)は山の風景が素晴らしい

NC750Sと赤岳、槍ヶ岳、蓼科山(2022年10月)
NC750Sと赤岳、槍ヶ岳、蓼科山(2022年10月)

佐久往還(国道141線)の東側には男山、西には上の写真の赤岳の連峰。澄んだ空気とよく晴れた青空に相まって山々の風景が美しい。渋滞も信号も少なく夏場のツーリングコースとしては最高です。ただし冬はとても寒いでしょう。

ウズマク広場から南相木ダム堤体を望む

ウズマク広場から南相木ダム堤体を望む(2022年10月)
ウズマク広場から南相木ダム堤体を望む(2022年10月)

南相木ダムは佐久往還から東に入り南相木川に沿ってかなり上流に昇った場所にあります。地図で見てもわかる通りかなり距離はありますが、ところどころに名所の滝やそれらを目当てにした観光客を受け入れる旅館などがあり走っていて不安になるような感じではありません。

とはいえ、ダムに近づくにつれて人の気配は少なくなってきます。ウズマク広場方面の標識に従って進むとまず洪水吐の急スロープが見えてその奥に白亜の南相木ダム堤体が見えてきます。

ウズマク広場は特徴的

ウズマク広場の案内板(2022年10月)
ウズマク広場の案内板(2022年10月)

南相木ダム堤体の下流側はウズマク広場として整備されています。なんというか渦をテーマに設計された公園で渦部分も流れ部分も自由に立ち入れるのですが…なんとも個性的な公園です。

次回はウズマク広場から南相木ダム周辺を愛でます。