下久保ダムの天端は国道から城峯公園に繋がる道路になっています。天端を通って右岸駐車場にNC750Sを停めてダムの角側を撮影したのが上の写真です。ダム堤体のゲートのある面を主ダム、山波石峡に面した面を補助ダムと呼んでいます。補助ダムは遠くから見ると直線のように見えましたが、実際には少し湾曲していて、右岸駐車場から直接角を見ることが出来ませんでした。
6月の梅雨入り前後で水位を下げている時期でゲートを含めダムの設備が良く見えています。まず主ダム中心水面から2つの放流口が半分覗いているのが主ゲート、その上に2門格子状のゲートが見えているのが補助ゲート、その両脇縦長のゲートが非常ゲートです。ゲートの右側に建物を伴っている設備は表面取水設備です。農業用水などあまり水温が低いと問題が発生する場合に暖まったダム湖表面の水を取水するために稼働します。
下久保ダムの角に歩いて向かう
下久保ダムの補助ダム天端を角に向かって歩きます。左手に神流湖、右手には山波石峡の風景が楽しめます。天端の道路は歩道もしっかり整備されていて普通の道路と変わりありませんが、欄干部分に近隣の観光案内やダムマンガのイラストがあるなどちょっと楽しいです。ダムマンガは文字通りダムを愛する主人公を中心にしたマンガですが下久保ダムの角をストーリーの中で取り上げたことがあり下久保ダムには縁の深いマンガです。
下久保ダム角にダムの記念碑があります。当然角なので90度のカーブになっています。カーブを示す矢印の看板が両方に立っていますが、記念碑と合わせたちょっとしたデザインを意識しているのは間違いないでしょう。記念碑が良く目立ちます。補助ダムも主ダムも天端の広さは同じなので、記念碑のスペース分道路が狭くなるはずですが道幅は一定です…それはまた後で。
下久保ダムの角の風景
ダムの記念碑の裏側にはダムの簡単な諸元がまとめられています。立ち退きになった方々の名前や献辞、慰霊の言葉などが書かれている場合もありますが、下久保ダム角の記念碑はシンプルです。おそらく、別にこれらを書いた碑があるものと思われます。
ダムの角には旧建設省による「標柱3号」が立っています。3号があるということは1号と2号があります。この二つは神流湖上流側の両岸にあって、1号と2号を結ぶ線よりダム堤体側は船舶が極スローで航行しなければならない場所になっています。(ダム堤体近くは進入禁止)
ダムの角上からダムの角直下を見ることが出来ます。写真では分かりにくいですが、当然高度感が凄いです。およそ乗り出して写真撮影する気にはなりません。ダムの角は直角に建てられているわけではなく傾斜を持って堤体の底の方が少し厚くなっています。これに反りが付いていれば熊本城の武者返しに似ているのですが…ダムを角を登れる人間はいないのでそんな凝った設計は不要でしょう。
下久保ダムの角の内側
下久保ダムの補助ダムは湾曲があり右岸側からは角の内側は見にくいです。逆に主ダムはまっすぐなので左岸側からは角が良く見えます。左岸駐車場から角を見ると…プールの角というか水が少ないのでお風呂の角のようにも見えます。
左岸には山側に展望場所も準備されていますが…夏にかけての時期はあまり登ると木々の葉っぱで堤体は良く見えません。むしろ上っている途中の場所から角の内側を見るのが様子が分かりやすいです。なおダムの内側に見える黒い筋は道路上の水を排水した跡と思われます。
角をアップで見るとゲートなどの配置が良く分かりますが、それに加えて角の内側で道路を通すスペース分だけ広くなっているのが分かります。角の記念碑スペースの分、内側を拡げて道路が狭くならないようにしたのですね。
下久保ダム堤体上の県境
下久保ダムは「角」が特徴ですが、補助ダムを含めた堤体長日本一という特徴もあります。またそれらに加えてダムの中心が埼玉県と群馬県の県境になっています。つまり私がNC750Sを停めた右岸駐車場は埼玉県、左岸駐車場は群馬県です。
なお下久保ダムの水で発電を行う下久保ダムは群馬県にあります。埼玉県のダムは非常に開放的なところが多いのですが、群馬県のダムは一部を除くとツンデレ?利根川水系は大ダムが多くダム好きにはたまらない場所ですが埼玉県ほど観光地化されていない印象です。
この後は、道の駅上州おこしに寄って都心に帰京しました。道の駅上州おこしは「下久保ダム推し」で全国のダムカード展なども企画されていました。(が…COVID-19の影響で中途半端な感じでした。)
「角」、「堤体長日本一」、「堤体中心が県境」、見どころの多い下久保ダム。再訪を心に誓って、この記事をおしまいにします。