古墳群公園から利根川に向かうとそこが利根大堰

古墳群公園から利根大堰までは県道306号線を北上します。この経路は多くの場所で武蔵水路に沿っており、武蔵水路の様子を眺めながらの移動です。田舎の水路とは異なり、かなり大規模でかつ開放水路なのでこれはこれで見ものです。(撮影しておけばよかった)

利根大堰は埼玉県道20号線が通過しています。この道路結構な幹線で交通量もかなり多いです。更にこの日は堰の上で大型トラックが故障で立ち往生。片側交互通行で大渋滞になっていました。右岸側から左岸にわたって撮影できそうな場所へ。なお右岸は埼玉県、左岸は群馬県で県境にもなっています。

利根川大堰を左岸上流から望む(2022年9月)
利根大堰を左岸上流から望む(2022年9月)

左岸上流の堰が見えるところから撮影した利根大堰。よくみると、水面にボートのコーナー浮きが浮いているのが見えます。このあと4艇のボートが走行していました。どうやらアマチュアボートレースが盛んなようです。

左岸下流側は立ち入りが大変

利根川大堰左岸の砂地から(2022年9月)
利根川大堰左岸の砂地から(2022年9月)

もうすこし水に近いところで撮影できないかと考え左岸下流側に移動しますが行き止まりになります。ただし釣り人?が歩いた踏み跡がしっかり残っていて立ち入っていくと左岸の砂地にたどり着けます。

好きずきの蓼かと思いましたが…

利根川大堰左岸砂地のイヌタデ(2022年9月)
利根大堰左岸砂地のイヌタデ(2022年9月)

蓼の仲間が生えていました。場所柄蓼食う虫も好き好きのタデ(ヤナギタデ)かと思いましたがどうやらイヌタデのようです。両種にていますがイヌタデはピリッとする蓼の風味がなくあまり役に立たないことから「イヌ」タデと命名されたとか…。可愛らしい花ですけどね。

利根大堰を見るのは右岸がお勧め

利根大堰とNC750S(2022年9月)
利根川堰とNC750S(2022年9月)

左岸は川に近づくのが大変なうえに見所があまりありません。利根大堰は右岸からみるのがお勧めです。堰は2段構えになっていて写真右側で水が白く流れているところは消波ブロックが斜面状に組まれて上流側に水が溜まるようになっています。更に写真左側の堰で水を堰き止めて水位を確保するようになっています。

利根川はサケの遡上の南端

利根大堰付近の禁漁表示(2022年9月)
利根大堰付近の禁漁表示(2022年9月)

利根川はサケの遡上の南端です。古くはサケ漁も行われていたそうですが、昭和30年代には激減。同じ時期に関東地方の大渇水「東京砂漠」の発生があり利根大堰が計画され、昭和40年代初頭に堰が運用開始になりましたがその頃はサケに関しては多分壊滅的な状況だったのではないかと想像。

遡上は10月から始まることが多いが…

利根大堰の魚道(2022年9月)
利根大堰の魚道(2022年9月)

昭和57年から放流事業が始まり10000尾を超える遡上があった年もありましたが、現状では観測が困難なほどに激減。全国的にサケが減っていることもある上に南限の利根川は水温が少しでも上がると遡上したくなくなるのかもしれません。今年はどうでしょう。

なおサケの禁漁期間は1月1日から12月31日…全面禁漁です。また2010年ごろは遡上数も多く、遡上の様子を観察できる魚道観察設備がありますが2022年9月時点で閉鎖されています。(廃止ではないので復活してほしいですね)

利根大堰のゲート

利根川大堰のゲート(2022年9月)
利根川大堰のゲート(2022年9月)

利根大堰のゲートを右岸から見るとこんな感じです。水が流れている奥のゲートと手前で高さが違います。ゲートの途中で上部が折れ曲がることで高さが調整できるようになっているようです。

利根大堰の機械室群

利根川大堰の右岸上流から機械室を望む(2022年9月)
利根川大堰付近の禁漁表示(2022年9月)

番号が振られている機械室が規則正しく並んでいるのはなかなかの壮観です。橋脚と機械室の基礎部分は共用する構造になっているのが分かります。

利根大堰の取水口から樋管→各用水への分岐

利根川大堰の取水口(2022年9月)
利根大堰の取水口(2022年9月)

堰で堰き止められた水を取水口で取水して

須加樋管のゲート(2022年9月)
須加樋管のゲート(2022年9月)

堤防の下を水を通す樋管を通って

各用水路への分岐点(2022年9月)
各用水路への分岐点(2022年9月)

各用水に導水されます。写真左から邑楽用水路、埼玉用水路、武蔵水路、見沼代用水路と書かれています。この分岐の水量を見ていると関東地方で使用されている上水道、農業用の水の膨大さが思いやられます。

利根大堰編はここまで。ここから往路の渋滞を鑑みて経路を変更して東京に帰ることにします。利根川に沿って北西向きに走り、関越自動車道本庄児玉ICから練馬まで走り環八で自宅近辺まで。

この日は走行距離は短かったものの歩いた距離が長かったので少々疲れました。がそれだけに充実したツーリングでした。

次回は日本一のダムへ。