魚梁瀬ダムと奈半利川

奈半利川水系には3か所主要な発電所があります。奈半利川下流から前回紹介した長山発電所、二又発電所そして魚梁瀬ダムに設置されている魚梁瀬発電所です。このツーリングでは二又発電所(久木ダム)の入り口を見落としてしまい、目的地の魚梁瀬ダムに到着しました。

この3つのダムはそれぞれ極端な大出力を持つわけではありません(長山 37,000kW、二又 72,100kW、魚梁瀬36,000kW)が3ダム合わせるとかなりの出力となります。奈半利川は四国有数の水力発電による電源となっています。(以上 Wikipediaなどによる)

展望台から魚梁瀬ダムを望む(2023年5月)
展望台から魚梁瀬ダムを望む(2023年5月)

魚梁瀬ダムは当初アーチ式コンクリートダムでの建設が計画されましたが、両脇の地盤強度が不足することがわかり、写真の通り中央遮水土式ロックフィルダムとして建設されました。

魚梁瀬ダムの建設では多くの家屋(200戸以上)が水没することに加え、当時のこの地域の主要産業である林業を支えてきた魚梁瀬森林鉄道の軌道が寸断されるため建設に対する反対は根強いものがありました。移転先に関する補償案や地域の発展に資する交通インフラ(ツーリングで通過した国道493号県道12号、県道54号)の新設・再整備などを提案することで建設の合意が妥結されましたが、その過程は決して平坦なものではなかったとのことです。

魚梁瀬発電所の建物

魚梁瀬発電所の建物(2023年5月)
魚梁瀬発電所の建物(2023年5月)

展望台から堤体下を見ると「やなせ」の植え込みと発電所の建屋がよく見えます。ダム下流至近の久木ダムの貯水池と直結したような形になっているのでダム直下流もダム湖になっています。なおGoogle mapでこの付近を見るとダムを跨いで水路があるように見えますが、これは洪水吐の流路です。(通常はこの部分には水は流れておらず、発電所側から放流されます。)

魚梁瀬ダム堤体を下流側から望む

魚梁瀬ダム、魚梁瀬発電所、NC750S(2023年5月)
魚梁瀬ダム、魚梁瀬発電所、NC750S(2023年5月)

残念ながら魚梁瀬ダムも平鍋ダムと同じく堤体には立ち入ることができません。下流側からアプローチして発電所の入り口で撮影したのが上の写真です。二門の洪水吐とシンプルな流路が見えています。下流側堤体を葛折で上り下りする点検用の通路が特徴的です。

時間も遅くなってきたので帰途につきます。往路とは経路を変えて県道12号線を馬路村方面に向かいます。

ゆずの村 馬路村のゆずの花

馬路村のゆずの花(2023年5月)
馬路村のゆずの花(2023年5月)

北川村の遥太おじいさんが始めたというゆずは今では馬路村の方が有名です。ゆず風味ポン酢の「ゆずの村」、ゆず味の清涼飲料水「ゴックン馬路村」などゆずを生かした製品の生産販売は馬路村の主要産業になっています。

あ、管理人、別に馬路村の手先ではありません。

安田川は奈半利川とは別水系

安田川(2023年5月)
安田川(2023年5月)

魚梁瀬ダムは奈半利川水系に建設されていますが、ダムから少し降った場所を流れる安田川は別水系です。にもかかわらず、両方とも水量が多いのはそもそも降雨量が多いからでしょう。またこの二つの川は所謂下流域がほとんど無いという点でも特徴的です。

安田川はダム開発がされておらず河口から上流域まで鮎釣りの名所でもあります。そういえばごっくん馬路村のラベルに「夏には村のおんちゃんらあは安田川で鮎釣り…」の行があったような。あれ記憶違いかな?

私の記憶はともかく写真の通りの清流です。

この後、実家まで帰宅するのですが、結構な距離ありました。それなりに疲れましたがそれよりも充実感の多いツーリングとなりました。

次回は関東に帰ってきてからのツーリング。