
野島埼は南房総国定公園として整備されており、遊歩道が整備されています。夏の時期には浜の植物が開花して可憐な姿を見ることが出来ます。ハマナデシコは日本の海岸では比較的ありふれた花らしいですが旅先でみると可憐さに磨きがかかって見えます。

ハマナデシコはその名の通り分類上もナデシコ目ナデシコ科ナデシコ属です。大和撫子というとなんとなく物静かな容姿端麗の和風美女を連想しますが、夏の日差しの中、咲いている姿は力強さを感じさせました。
ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

野島埼灯台とアンテナ施設です。野島埼灯台の歴史は古く1870年に日本で2番目の洋式灯台として建設されました。この時建設された灯台は関東大震災の際に途中で「折れた」ため、再建された灯台が今の灯台のベースになっています。再建後、太平洋戦争中に大きな被害を受けたため大規模に修繕して今に至っています。何とも受難の多い灯台です。
近年では灯台も重要ですが、写真右側のアンテナ施設が重視されてきました。アンテナ施設には長波ビーコンとマイクロ波を用いたレーマークビーコン(無線方位信号)なるものが設置されているそうです。下の画像(出典 海上保安庁)。とはいえ、このレーマークビーコンもGPSの登場でその役割は急速に代替されて、廃止されつつあります。実際、この野島埼無線方位信号所も2021年には廃止予定になっています。まさかこの青空の写真に諸行無常のコメントを付けるとは思いませんでした。


平和の愛鍵の奥に厳島神社の本殿があります。お参りしてから海側に歩いていくと太平洋の広大な風景が広がります。南西方向を見ると伊豆大島がはっきりと見えます。野島埼から伊豆大島まで50km弱ですから晴れてさえいればよく見えます。
この写真を撮ったのは灯台に向かう途中の歩道ですが、そのまま海に降りていくこともできます。海に降りていく歩道の脇にはヤシが植えられていてやや南国雰囲気を醸し出しています。ヤシは「熱帯」のイメージですが種類によって耐寒温度は-6℃程度とある程度の寒さには耐えるようです。寒さに強いわけではありませんが、関東地方でも温暖な南房ではここまで冷え込むことはまずなく、その気候を利用してヤシを専門に扱う造園業者さんがあるようです。

野島埼の入り口から灯台に向かって歩いていくと、階段があり上ったところが厳島神社。広島の厳島神社が有名ですが、祭神が同じだったり、海の安全を祈るというご利益を共通にする同名の神社は全国にあります。その一つが野島埼にもありますが、その参道脇に祭られた「平和の愛鍵」。
直接的に形を模した愛鍵と鍵を差し込む戸を暗喩したシャコ貝の殻。一見、卑猥ですが右側の「平和の愛鍵」の件を読むとなかなか面白い。面白すぎて写真はハレーションを起こしている…訳ではないのですが。
しかし更に読み込むと考えさせられる文句です。特に後半
…
縫い目あれどもほころびもせず
玉があれどうてもせず
天を仰ぐこともなし
は戦争の多かった1900年代前半の日本の状況を考えると「平和の愛鍵」の名に込めた願いの正体が分かるような気がします。

昨年、令和元年は台風の被害が大きい年でした。特に千葉県や伊豆大島で多くの家屋で屋根を飛ばされる被害が発生するなど全国的に注目されました。台風が来れば海沿いでは風と波の被害が大きくなりますが、山では土砂崩れの被害が大きくなります。土砂崩れの被害は一回の大雨で発生するというよりは、何回かの雨がボディブローのように効いて限界を超えると発生します。
大菩薩嶺周りのように幹線ではない山道が続く場所では複数の土砂崩れや道路の崩落が発生していることは珍しくありません。幹線ではないため復旧もやや後回しになっている印象がありますが、地元にとっては山中の林業を支える重要なインフラでもあります。先日(令和2年9月)に塩山停留所大菩薩嶺線を通過しようとしたときは残念ながら通行止めでした。この10月1日に通行規制が解除になったようですので、周辺が冬季閉鎖になる前に一度は再訪したいと思ってます。

大菩薩嶺周りの林道の植物をしばらく紹介してきたので、少し趣を変えて昆虫の写真を公開。今年の9月中旬に奥多摩湖畔で撮影したカラスアゲハ(と思う)の写真です。全国的に分布し珍しい種類ではないようですが、羽のデザインの個体差地域差が大きいそうです。
この時は花から花へ忙しく蜜を吸いに回っているところでした。おそらく産卵期を迎えて最後の腹ごしらえでしょう。産卵後は親は死んでしまい、子は蛹で越冬。一般的に蝶の幼虫は農作物の葉を食害し、大型の蝶の蛹が食べる量はかなりなものですから、農家には嫌われます。が、Wikipediaによると「栽培種のミカンなどは好まない」とあってへーって思いました。
ちなみにこの日のツーリング、この後は大菩薩ラインを通ってフルーツラインから20号。20号側から大菩薩湖に向かうつもりでしたが入り口を見落としたので甲斐大和の道の駅でシャインマスカットを買って大月から中央道で帰りました。



大菩薩嶺の麓の林道ツーリングシリーズが続きます。秋に開花する花々が咲いていましたがこれはその一つ「ナギナタコウジュ」(と思う)。シソ科らしい葉と花の付き方が特徴的な野草です。林道沿いには様々な野草の花が咲いていて目移りしながら、でもよそ見にならないように注意してのツーリングでした。
ナギナタは確かにそんな感じの形なので分かりましたが「コウジュ」の意味が分かりませんでしたので調べました。「香薷」と書いてコウジュでシソ科全般を指すこともありますが、特にこのナギナタコウジュを指すことが多いようです。全草を乾燥させたものに薬効があるとされていてWikipediaには「薬効は、利尿や、血行をよくして発汗を促進する作用があり…」との記載があります。
そういえばかぎけん花図鑑の今日の誕生花はサルビア。同じシソ科ですがずいぶん姿かたちが異なるのも面白いところです。

虎杖と書いて「イタドリ」です。この歳になるまでイタドリに花が咲くことを知りませんでした。イタドリそのものは非常に身近に知っていて、特に管理人の出身地である高知県ではあく抜きして食用にします。昔は山野草としてその辺の山で採ってきていました。昨今ではスーパーマーケットで販売されることもあり、その辺のイタドリを採っていると怒られるケースもあるようです。まあ、それは当然で昔の方が鷹揚すぎでした。
ちなみにイタドリのお味は独特の歯ごたえが面白い食材で、炒め物などにして食べます。都心でも道端に時々生えていますが、大きくないと食べるところがないのでその辺のは食用には向きません。山に生えている「太っとい」のが食べるのには向きます。
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