ダムや海、山、川、岬を巡るツーリングを通し関東を主に日本の風景を紹介します

カテゴリー: 足摺岬

四国最南端を目指すツーリング(7)-高知県西部の風景

後姿の銅像はジョン万次郎

中岡万次郎の銅像(2020年12月)
中浜万次郎の銅像(2020年12月)

足摺岬に到着した時の写真に後姿が写っていたのは、ジョン万次郎こと「中浜万次郎」。漁に出たら黒潮に流されて漂流。伊豆諸島の無人島でアメリカの船に助けられてそのままハワイまで行き、米国本土まで渡ったのが彼です。ハワイまでは一緒に漁に出た漁師も一緒だったようです。

関東ではあまり見ない避難タワー

大岐の津波避難タワー(2020年12月)
大岐の津波避難タワー(2020年12月)

この建造物は津波が来た際の避難タワーです。高い建物が多く、また極端な巨大津波発生の確率が低いとみられているため東京湾沿岸で見ることはありません。一方、南海トラフ地震が発生すると巨大津波の発生が予想される高知県の海岸線では頻繁に見かける構造物です。役に立たないのが一番ですが、備えあれば憂いなしとも言えます。

土佐の小京都中村の大文字山

中村の大文字山(2020年12月)
中村の大文字山(2020年12月)

足摺岬のある土佐清水市の高知市側は四万十市です。四万十市は中村市と西土佐村が合併してできた市で、旧中村市は土佐の小京都として有名です。応仁の乱の際に時の関白一条教房が戦乱を嫌って領地である中村に下向してきたことが京都との縁になっています。この後、一条氏は戦国大名化しますがその過程で京の文化を中村の地に再現しようとしたものと思われます。

中村には京の地名と同じものが複数あり、京の地を中村の似た風景で偲んだのかもしれません。大文字山もその一つでしょう。

足摺ツーリングのシリーズはこれで終了。次回から山に向かいます。

四国最南端を目指すツーリング(6)-足摺岬の風景

天狗の鼻から足摺岬灯台を見る

天狗の鼻から見る足摺岬灯台(2020年12月)
天狗の鼻から見る足摺岬灯台(2020年12月)

足摺半島の先端部は犬吠埼野島崎のように一つの岬が突出しているというよりも半島先端部も細かな多くの岬で出来ています。足摺岬灯台付近もそのような岬が多くあり、天狗の鼻と呼ばれるところから足摺岬灯台を望んだ風景です。手前の岬の上部には展望台があり、正面に太平洋、右手に足摺岬灯台、左手に天狗の鼻からなる素晴らしい眺望を楽しめます。

天狗の鼻

展望台から望む天狗の鼻(2020年12月)
展望台から望む天狗の鼻(2020年12月)

展望台から天狗の鼻を望みます。海面に伸びる磯の形を天狗の鼻に見立てたのでしょうか。足摺岬灯台から天狗の鼻を回って展望台の経路で撮影しながら、ゆっくり回って40分程度。ちょうど良い散歩道です。(一部舗装がないので運動靴をお勧めします。)

ヤブツバキの変わり枝

足摺岬のヤブツバキ変わり枝(2020年12月)
足摺岬のヤブツバキ変わり枝(2020年12月)

足摺岬は大規模なヤブツバキ自生地です。椿園のように環境が一定ではないせいか、変わり枝が多く見られます。写真は普通のヤブツバキに比べて小ぶりで色合いがピンクに近い変わり枝です。この他にも紫がかったものが散見されました。整備された椿園とはまた別の楽しみがあります。

次回は足摺岬ツーリング最終回にします。

四国最南端を目指すツーリング(5)-足摺岬の灯台周りの風景

青空に映える足摺岬灯台

足摺岬灯台全景(2020年12月)
足摺岬灯台全景(2020年12月)

足摺岬灯台を海側から撮影した写真です。有名な灯台ですが、観光で上ることは出来ません。また2008年に足摺岬のレーマークビーコンが廃止されたため電波塔が灯台周りにありません。灯台下のヤシの一種ビロウの木が特徴的です。

弘法大師は亀を呼んだらしい

亀呼場の亀像(2020年12月)
亀呼場の亀像(2020年12月)
足摺岬から南を望む(2020年12月)
足摺岬から南を望む(2020年12月)

弘法大師は足摺岬の先で亀を呼びよせて沖磯で海上安全を祈願したとか。なんとなく亀のような沖磯が岬先端からは見えます。この沖磯の南側には水平線が広がりますが、陸地はニューギニア島までありません。広い太平洋が拡がります。

足摺野地菊(2020年12月)
足摺野地菊(2020年12月)

足摺岬の植生は椿が有名ですが写真の足摺野路菊も特徴的な種類です。野路菊は西日本では比較的広く分布していますが、この足摺野路菊は葉の周りが白く縁取られる点で通常の野路菊とは異なり足摺から愛媛県の佐田岬まで分布する固有種です。

次回は足摺岬近辺の別の岬や展望台からの風景を紹介します。

四国最南端を目指すツーリング(4)-足摺岬の灯台へ

四国最南端へ到着

足摺岬の四国最南端看板(2020年12月)
足摺岬の四国最南端看板(2020年12月)

以前に関東最南端、野島崎ツーリングを紹介しましたが、今回は四国最南端、足摺岬。幼少時に訪問したことがあるはずですが全く記憶にありません。駐車場にNC750Sを停めて、徒歩で岬の灯台周りの遊歩道を散策します。後姿の銅像が見えていますが、だれか分かりますか?これは後日紹介します。

風の強さが分かる椿のトンネル

風に吹かれて傾いて育ったヤブツバキ(2020年12月)
風に吹かれて傾いて育ったヤブツバキ(2020年12月)

足摺岬は四国最南端。常に風は強く台風も頻繁に襲来します。遊歩道の椿の木もそんな気候を反映して内陸側に傾いて育っています。(写真左側が海)

足摺岬近辺はヤブツバキの自生地

足摺岬のヤブツバキ(2020年12月)
足摺岬のヤブツバキ(2020年12月)

足摺岬の周辺は全国的にも有名なヤブツバキの自生地です。まだ時期が早いこともあり、また自生の椿なのでたくさん花が咲いているわけではありませんが、ぽつぽつと綺麗な花が咲いていました。風が強い場所なので完全花が少ないのですが写真の花は綺麗。

遊歩道から見る足摺岬と灯台

足摺岬灯台を遊歩道から望む(2020年12月)
足摺岬灯台を遊歩道から望む(2020年12月)

遊歩道から足摺岬灯台を撮影した写真です。写真だと高さが実感しにくいのですが、灯台の高さが約18m、海面から灯台のライトまでの高さが約60m。遊歩道は安全のために柵やロープが設置されていますがそれでも結構な高度感です。逆に言えば絶景とも言えます。

明日は灯台周りの風景を紹介します。

四国最南端を目指すツーリング(3)-金剛福寺の風景

金剛福寺は四国八十八箇所第38番札所

金剛福寺入口(2020年12月)
金剛福寺入口(2020年12月)

臼碆の後、足摺岬に行ったのですが、元日なのでご利益のありそうな金剛福寺の写真を先に紹介します。

金剛福寺は嵯峨天皇から「補佗洛東門」の勅額を受けた空海が開いたとされ、四国八十八箇所三十八番札所となっています。お遍路で前の札所(岩本寺)からの距離が80kmの道のりで歩きのお遍路さんにとっては一つの山場だそうです。80km歩いて到着したときの感慨は大きいものでしょう。尤も私はツーリングなので通行量の少ない道を快適に走ってきたのですが…。

亀が印象的

金剛福寺の亀と本堂(2020年12月)
金剛福寺の亀と本堂(2020年12月)

金剛福寺の補佗洛東門をくぐると大きな亀が出迎えてくれます。文化財になるような古いものではなく新しいものですが、足摺岬には弘法大師(空海)が亀を呼び寄せて沖の磯に渡ったという話も残っています。補佗洛渡海が行われていた足摺の地で亀を呼び寄せて沖に行くという伝説はそれらの関係を連想させるものがあります。(管理人の感想です。)

まるで曼荼羅のような

金剛福寺のさながら曼荼羅(2020年12月)
金剛福寺のさながら曼荼羅(2020年12月)

本堂の左手にはまるで曼荼羅のように仏様が並んでいます。そして本堂裏、右手にも続いており非常に独特な雰囲気です。ご利益を通り越して少し怖い、そういった感覚でした。

クジラ塚は足摺の地らしい

金剛福寺のクジラ塚(2020年12月)
金剛福寺のクジラ塚(2020年12月)

クジラ塚と書きましたがクジラ墓と書くのが正しいのかもしれません。土佐清水市一帯は昭和の時代までクジラ関連産業が盛んでした。その際に捕獲された多くのクジラを祀ったものと考えられます。(管理人の予想です。)

生きている信仰施設

金剛福寺の太子堂(2020年12月)
金剛福寺の太子堂(2020年12月)

太子堂です。このお堂も文化財になるような古いものではなく近年の寄進で建て替えられたものと思われます。金剛福寺は空海が開いたとされていますが当時の建物はなく、古いもので江戸時代の物が中心です。逆に言えば常に寄進を得て古くなりすぎたものは更新し信仰の場として常に活きてきた印象があります。

今年のご利益をお願いしてきました。

明日は足摺岬の風景を掲載します。

四国最南端を目指すツーリング(2)-鵜の岬展望台の風景

足摺半島に到着

鵜の岬展望台からウスバエ方面を望む(2020年12月)
鵜の岬展望台からクロハエ方面を望む(2020年12月)

足摺岬は高知県土佐清水市の足摺半島先端です。足摺半島南部は黒潮が数々の磯を洗う絶景の地です。絶景は足摺岬だけではなく、例えば上の写真の鵜の岬展望台からの風景もその一つです。この写真は昨日予告した臼碆周辺です。「臼碆」は「ウスバエ」と読み、アクセントが「ウ」にあります。臼碆はこの近辺の地名でもあり、オキウス、ウス1、ウス2等沖磯の名称としても使われています。

臼碆の臼?

ウスバエのウス(多分)(2020年12月)
ウスバエのウス(2020年12月)

ウスバエの明神岬の臼っぽい岩です。結構大きい。手前の小さな磯に釣り人がいるのが分かりますね。この近辺は日本でも有数の磯釣りのメッカです。管理人も釣りをしますが、一度はこういう大場所で竿を出してみたいものです。

鵜の岬は確かに鵜っぽい

鵜の岬展望台から鵜の岬を望む(2020年12月)
鵜の岬展望台から鵜の岬を望む(2020年12月)

写真中央のなだらかに海に下っているが鵜の岬です。確かに鵜の頭からくちばしのような形です。手前の沖磯にも釣り人がいます。やはり有数の名所。

NC750Sと記念撮影

NC750Sと鵜の岬(2020年12月)
NC750Sと鵜の岬(2020年12月)

ちなみに鵜の岬展望台は道から100mほど整備された階段を下りてたどり着く、本当に展望台しかない穴場スポットです。一人で太平洋の風景を満喫するには最高の場所です…が至近には駐車場はありません。ゆっくり楽しめるのはバイクツーリングの特権かもしれません。